ある医師が、自分が今の職業を目指した「原点」を思い出したときのエピソードが、「これは泣ける」「涙が止まらない」とTwitterで話題になっています。投稿には、記事作成時点で4万件を超える“いいね”が集まりました。
医者になった原点の手紙
私が7歳の頃、隣のお友達の家に赤ちゃんが産まれた。たった一度だけ会えたその子はとても小さくて可愛くて。早く抱っこしたい、一緒に遊びたいって思った。
でも、その子はもうお家には戻ってこなかった。
一番好きだったぬいぐるみとお花を持っていった。その時の空気の冷たさを覚えてる(花ノンさんのツイートより)
この投稿をしたのは、医師の花ノン (@bluebeetle421)さんです。花ノンさんは、自分が医師になったきっかけを、最近ある人からの連絡で思い出したそうです。
話は花ノンさんが7歳のころにさかのぼります。あるとき、当時となりに住んでいた友達の家に赤ちゃんが産まれました。赤ちゃんは、とても小さくてかわいらしく、花ノンさんは一目見て「早く抱っこしたい、一緒に遊びたい」と思ったそうです。
しかし、その赤ちゃんはその後、友達の家には戻ってきませんでした。幼くして、亡くなってしまったのです。花ノンさんは、そのとき一番好きだったぬいぐるみと、お花を持って赤ちゃんとお別れをしたのを覚えているそうです。
その友達から先日、お母さんが亡くなったという連絡を受けた花ノンさん。友達によると、お母さんの遺品の中に、亡くなった赤ちゃんの産着と一緒に7歳の花ノンさんの書いた手紙が入っていたというのです。
花ノンさんが赤ちゃんへ宛てた手紙には、こう書かれていました。「赤ちゃんで死ぬ子がいなくなるように、おいしゃさんになるから、また生まれてきてね」。
花ノンさん自身、連絡を受けるまで忘れていたというこの手紙。花ノンさんは、当時の体験や想いが、医師になりたいと思った原点だったかもしれない、と思い返し、「天国のおばちゃんと赤ちゃん、ありがとう。いろんなことあるけど頑張って生きていくよ」と、決意を新たにしたのでした。
自分では忘れてしまっていたものの、7歳で体験した悲しいできごとを志に変え、医師になるという夢をかなえた花ノンさん。「おばちゃん」は、当時の手紙にも、花ノンさんが医師になったことにも、とても救われたことでしょう。
この投稿には、「涙が止まらない」「たくさん努力したんだろうな」「生きていることに感謝したい」など、やさしさにあふれたエピソードに胸を打たれた人たちの声が続々と届いています。
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