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ホンダ、5年ぶりF1参戦へ “終了宣言”を覆すまさかの5期目にネットざわつく 「あの時の撤退はなんだったのか」「復帰したら続けるんだぞ!」(1/3 ページ)

マジか!

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 ホンダは、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)に2026年シーズンから参戦すると5月24日に発表しました。2021年限りでパワーユニット(エンジンとエネルギー回生システムを組み合わせた動力源)サプライヤーとしての活動を終えていたホンダにとって、5年ぶりの復帰となります。SNSには、復帰を喜ぶ声や継続的な参戦を期待する意見など、さまざまな声が寄せられています。

ホンダ公式Instagram
ホンダ、F1第5期へ(画像はホンダ公式Instagramから)

 同日、Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チーム)と2026年から施行される新レギュレーションにもとづくパワーユニットを供給するワークス契約を結ぶことで合意したと明かしたホンダ。パワーユニットの開発とレース参戦・運営は2022年からホンダのモータースポーツ活動全てを担う、ホンダ・レーシング(HRC)が担当します。

 参戦を決めた要因として、ホンダは2026年施行のレギュレーションが同社のカーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)の方向性に合致したことを掲げました。

 F1は、2030年のカーボンニュートラル実現を目標として掲げており、2026年以降は、100%カーボンニュートラル燃料の使用が義務付けられるとともに、最高出力の50%をエンジン、50%を電動モーターで賄う形となり、現在と比べて出力に占める電気エネルギーの比率が大幅に高められることになります(2023年現在のレギュレーションでは、電動モーターの比率は20%弱)。

 具体的には、2026年からエンジンの出力を抑える一方で、走行するマシンから減速時などにエネルギーを回収して電気エネルギーに変換する、エネルギー回生システム(ERS)の出力を現在の3倍に引き上げ、エンジンとモーターの最高出力が同等となるシステムになるとのこと。このレギュレーション変更が、ホンダのカーボンニュートラルの方向性に合致し、その実現に向けた将来技術の開発に大きな意義を持つことから、新たに参戦を決定したと説明します。

 ホンダ(本田技研工業株式会社)の三部社長は、「ホンダは世界のレースに挑戦し、勝利することで成長してきた企業です」「新たなパートナーとなるAston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamとは、勝利への真摯な姿勢と情熱で大いに共感し、Aston Martin Aramco Hondaとして、2026年からともにチャンピオンを目指すことになりました」とコメントし、勝利への意欲を見せました。

 SNSでは「ホンダがF1には必要です! 頑張ってください!」「挑戦するホンダが好きだ〜」などF1復帰を喜ぶ声や、「嬉しいけどあの時撤退した判断はなんだったのかね」「もう撤退とかいうなよ。復帰したら続けるんだぞ!!」など、安定したF1挑戦を望む意見も多くあります。

 ホンダのF1挑戦は1964年にスタートし、大きく参戦時期別に第1期から第4期までに分類されます。直近の第4期ではパワーユニットサプライヤーとして2015年から2017年にMcLarenへパワーユニットを供給。

 その後2018年からScuderia Toro Rosso(現:Scuderia Alpha Tauri)へ、2019年からRed Bull Racingへ供給を開始したものの、2021年シーズンでのF1参戦終了を2020年10月に決定。最終年となる2021年にRed Bull Racingのマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズチャンピオンを獲得し、F1から撤退していました。

 2022年以降はScuderia Alpha TauriとRed Bull Racingへパワーユニットを供給するRed Bull PowertrainsへHRCが技術支援を開始。現在参戦する両チームのマシンにホンダのロゴが入っていることも注目を集めていました。

ホンダ公式Instagram

本田技研工業株式会社 取締役 三部敏宏代表執行役社長のコメント

 F1が、Hondaの目指すカーボンニュートラルの方向性と合致する、サステナブルな存在となり、私たちの電動化技術を促進するプラットフォームになること。これが、Hondaとして再びF1にチャレンジする大きな理由の一つとなりました。

 Hondaは世界のレースに挑戦し、勝利することで成長してきた企業です。2026年からの新レギュレーションでは、小型・軽量・高出力のモーターや、大電力を扱える高性能バッテリーとそのマネジメント技術が勝利への鍵となりますが、ここから得られる技術やノウハウは、電動フラッグシップスポーツを始め、これからの量産電動車の競争力に直結する可能性を秘めています。さらに、現在研究開発を進めているeVTOLなど、さまざまな分野にも生かすことができると考えます。

 新たなパートナーとなるAston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamとは、勝利への真摯な姿勢と情熱で大いに共感し、Aston Martin Aramco Hondaとして、2026年からともにチャンピオンを目指すことになりました。

 地球環境の保全とレース活動が共存できるよう、チャレンジングな新レギュレーション導入の英断を下されたFIA、また、F1のブランド価値を高め、発展させてきたFormula One Groupには大きな敬意を表します。


Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team ローレンス・ストロール会長のコメント

 Aston Martin Aramco Cognizant Formula One TeamはHondaとHRCを歓迎します。私たちは、レースでの勝利に向けた熱意と決心、そして飽くなき野心を互いに共有しています。Hondaは世界的な企業であり、長年にわたるモータースポーツにおける成功は、信じられないほど素晴らしいものです。2026年からともにエキサイティングな未来に乗り出すにあたり、三部氏、渡辺氏、そしてHRCのチーム全員に感謝したいと思います。


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