温浴施設などを運営する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(以下、大江戸温泉物語)と湯快リゾートが、2024年春に経営統合する方針を固めた。日本経済新聞などが報じ、利用者からは驚きの声が上がっている。大江戸温泉物語は東京都中央区、湯快リゾートは京都府京都市に拠点を置き、東西でそれぞれ知名度が高い両社の合流となる。ねとらぼ編集部では、大江戸温泉物語と湯快リゾートに背景を取材した。
大江戸温泉物語の人事総務部の担当者は、ねとらぼ編集部の取材に対し、統合を検討し始めた時期は公表していないとつつも、以下のように説明した。
「弊社は米ローンスター(ローン・スター・ファンド)が株主であり、いわゆる外資ファンドの傘下だ。湯快リゾートも同様(ローンスターの傘下)である。企業価値を高めていく戦略の1つとして、『今後のスケールメリットや企業価値をより向上していく』という目的を達成するため、湯快リゾートとの統合を検討した」
「弊社と湯快リゾートはそれぞれ特徴があるので、特徴を生かして『いいとこ取り』をしながら、企業としてより成長していきたい。利便性や手頃感、満足感をより高いレベルで提供しつつも、コストメリットを生かして企業として適切な利益を獲得したいと思っている」
それぞれのブランドを残すかどうかは現在協議中だ。大江戸温泉物語の担当者は「整理などはすることになろうかと思う」としながらも、決定時期については「マーケティングに関わるところなので、できるだけ早い段階で決定したい」と回答するに留めた。
「訪日客需要の取り組みを積極的に」
統合にともなう売上など数値目標は公表していないが、両社が目指すのは業務効率化や人手不足の解消、訪日客需要の取り込みだ。
大江戸温泉物語の担当者は業務効率化や人手不足の解消について、「正直、明確な打ち手は難しいところがあり、小さい努力を重ねていく必要があると思う。もちろん、具体的に検討していることはあるものの、それぞれの会社が持つノウハウを共有することで新たなやり方が見つかったり、配置転換をさせることでノウハウを落とし込んだりするなかで、さまざまな打ち手を見つけていきたい」と話す。
また、訪日客需要については統合にかかわらず、すでに大江戸温泉物語単体でも重視しているという。コロナ禍以前は平日は高齢者の利用が多かった一方で、コロナ禍以降は平日の集客に影響がおよんだ。
大江戸温泉物語の担当者はこのような状況を受け、「インバウンドは有効な打ち手だ。現時点ですでに『海外OTA』と言われる予約サイトに開放し、団体のみならず個人でも気軽に予約できるようにするなど、訪日客需要の取り組みは積極的に進めている」と明かした。
「日本の温泉ホテル業界のリーディングカンパニーを目指す」
一方で、湯快リゾートのセールス&マーケティング部の担当者は、ねとらぼ編集部の取材に対し、「2022年に(外資ファンドの)ローンスターが大江戸温泉物語を買収し、2023年1月にローンスターが弊社に出資した。それ以降シナジーの実現方法について、両社の経営幹部が集まって議論をしてきており、今後日本の温泉ホテル業界のリーディングカンパニーを目指す」とコメント。
そのほか、訪日客需要の取り組みについての数値目標は「未定」とのみ回答した。
湯快リゾートより回答が得られたため、同社の回答を加筆修正した【6月14日15時10分追記】
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