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夜に予約して朝炊けたご飯は雑菌が多くてお弁当にはリスキー? 象印に“ご飯の安全な扱い方”を聞いてみた(1/2 ページ)

夏場は水温が上がり、浸水中に腐敗が進む可能性があるようです。

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 「前日の夜に予約炊飯をセットして翌朝に炊いたご飯は、雑菌が多く傷みやすいため、お弁当に向かない」とする言説が、Twitterで話題に。ねとらぼ編集部では、大手炊飯器メーカーの象印マホービンにご飯の安全な扱い方を聞きました。

炊飯 食べ物が傷みやすい夏場は、炊飯にも気を使いたい

 この話題で「予約炊飯が危うい」とされる要因は、浸水する時間の長さ。夜準備して朝炊く場合はどうしても長くなり、米や水に潜在する雑菌に繁殖する機会を与えることになるという考えです。

 浸水中に菌が増えようと、炊飯時の加熱で消毒されるような気もしますが、菌のなかには加熱調理程度では死なない種もあります。くだんの言説は、こうした菌の存在も踏まえての話なのでしょう。

 では、食べ物が傷みやすいこの夏場、ご飯を安全に取り扱うにはどうすればいいのか、大手炊飯器メーカーの象印マホービンに聞きました。


―― 「前日の夜に準備して、翌日の朝に炊飯を予約したご飯は雑菌が多い」という話がTwitterで議論を呼んでいますが、そうなのでしょうか?

象印: 雑菌という概念が不明瞭ですが、炊飯前のお米と水に菌が存在する可能性があります。ただ、炊飯時に100℃まで煮沸されることになるので、衛生面としては、通常炊飯とさほど変わりません。

―― 中にはセレウス菌など加熱で殺菌されない菌もあると思います

象印: 取扱説明書にて予約できる時間を制限して対応をしています。それを超えて予約してしまうと、セレウス菌だけでなく他の菌の影響を受けることが考えられます。

 特に夏場は水温も高くなりお米の腐敗が早くなりますので、予約時間は8時間以内(セット時から8時間先までの時刻)が目安です。実際にご使用の際は、お持ちの炊飯器が記載している予約時間の範囲内で炊飯していただければと思います。

例えば象印の「NW-FB10」の説明書では「夏場は8時間以上の予約はしないでください」と記載されている

―― 炊けたご飯を保温する場合、どのくらいの時間がリミットになりますか

象印: 炊飯器の保温機能を使った場合、弊社の最上位機種では40時間保温、大半の機種が24時間まで保温可能です。これに関してはメーカーや製品によって差がありますので、使用している製品の取扱説明書を見てください。

―― 話題のなかで「お米を炊く際に酢や梅干しを入れると傷みにくい」との言説もみられたのですが、本当でしょうか

象印: お酢はなべ内面のフッ素被膜を傷める可能性があります。梅干も圧力タイプの炊飯ジャーで、圧力調整装置や安全弁が詰まる恐れがあるので、どちらも入れないでください。

―― 衛生的な食事をするため、お米を炊く際や炊いた後に注意すべきことがありましたら教えてください

象印: より衛生面に気を使われるのであれば、炊飯ジャーのお手入れなど基本的な対策を取っていただくのと、メニューごとに予約設定の限度時間が設定されていますので、そこを順守していただければよいかと思います。


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