ネットメディア「ロケットニュース24」編集部は、コーヒーチェーン店「タリーズコーヒー」の女性店員2人に、男性ライターがオススメの商品を執拗に聞くなどをして批判を浴びていた件で、謝罪のうえ該当記事を削除しました。
該当記事は、7月7日付けで配信された「【ガチゆえに】タリーズの店員さんに『自腹で飲むくらいオススメのドリンク』を聞いたらスタバと対応が違いすぎて心が折れた」と題した記事。男性ライターがスターバックスやミスタードーナツ、ガストなどの大手飲食チェーンを訪れ、店員に自腹でも食べたいメニューや買いたい商品を教えてもらうシリーズ「店員さんの自腹レコメンド」の1本でした。
「事前許可取り無しのガチ企画」をうたう同シリーズの該当記事では、男性ライターが20代に思われる女性店員2人に、「店員さんが自分で飲んでるドリンクを3ついただきたいんですが……」などと繰り返し要望し、困惑されたり期間限定商品を勧められたりした、とつづられていました。
また、記事内では、該当シリーズのなかではスタバの店員による対応が「素晴らしかった」と振り返った一方で、タリーズの店員による対応については「私の心はへし折られてしまったと言わざるを得ない」などと酷評。「誰が悪いのかと言えば私が悪い。普通ではない面倒くさいオーダーをしているのだから」などの記述も見られるものの、SNS上ではその内容に対して批判の声が広がっていました。特に、問題視する声が多く見られたのは、事前に取材許可を得ずにイレギュラーな対応に応じなかった店員を酷評したこと、また女性店員に執拗に絡んでいることです。
ねとらぼ編集部が該当シリーズを確認したところ、女性店員のみならず、男性店員にオススメの商品を聞く記事も多数見られる一方で、スタバの女性店員については「神対応ならぬ“女神対応”が炸裂した」「『ちょっと恥ずかしくてスタバの前を通れない』くらいには恋に落ちている」、カレーハウスCoCo壱番屋の男性店員については「もしも私が女性ならば、鬼ほどメイクを決め込んで週7でココイチに通うことだろう」など、店員に対して恋愛を想起させる表現が複数見られました。
ロケットニュース編集部「不適切であったといわざるをえない」
ロケットニュース24編集部は7月10日、「当社メディアにおける不適切な記事についてのお詫び」と題したページを掲載。該当記事について、「取材方法及び記事内容について不適切な事象が確認されましたので削除させていただきました」と説明しました。
「飲食店舗のスタッフ様に個人的な好みをお尋ねしたこと、また、回答いただけることを当然のことのように表現したことにつきましては、配信事業者として不適切であったといわざるをえず、執筆者及び編集部ともに深く反省しております」として、「当該記事によりご迷惑をお掛けした飲食店舗のスタッフ様、運営会社様及び不快な思いをされた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
現在、店舗の店員および運営会社に対し、該当記事を配信した経緯の報告および謝罪の機会を得られるように申し入れをしているとのこと。また、ライターと編集部は当該記事の執筆から配信されるまでの過程について検証しているとしています。ロケットニュース24編集部は最後に、「今後、このような記事が配信されることのないよう十分に留意して努めてまいります」と述べました。
なお、ねとらぼ編集部では7月8日時点で、ロケットニュース24編集部に対して批判の声の受け止めなどについて問い合わせましたが、記事執筆時点では回答は得られていません。
【9月21日15時10分追記】一部誤字を修正しました
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