7月10日に豪雨に見舞われた九州地方北部。福岡市内の学校が急きょ一斉休校となった中、廃棄の危機となった給食パンを一般向けに格安で販売した取り組みがTwitter上で話題を呼びました。ねとらぼ編集部は取り組みを実施した福岡市学校給食公社に取材しました。
10日に線状降水帯が発生し、2年ぶりとなる大雨特別警報が発令された福岡県では、川の氾濫や浸水などが各地で起こりました。福岡市は10日午前に、市内の小中学校などを一斉休校にすると発表。ここで行き場をなくしたのが、児童や生徒たちに提供されるはずだった給食パンでした。
福岡市学校給食公社は福岡市内の小・中・特別支援学校合計221校に、パン、米飯、牛乳と給食用食材を供給しています。担当者によると、「7月10日分のパンは前日(9日)に焼き上がっており、給食で児童生徒においしく食べていただく状況にあった」といいます。給食用パンには保存料を使っていないため、消費期限は当日まで。この日は約6万1000個のパンが、廃棄の危機に陥っていました。
「行き場がなくなった多くのパンは処分せざるを得なくなってしまいます。そこで少しでも多くのパンをフードロスとならないようにとの思いで一般向けの販売を行うことにしました」
給食公社は10日14時から福岡市役所1階で、休校で余剰となったパインパン、背割り米粉パンを10個入100円で一般向けに販売。1人何袋でも買えるという条件でした。
この情報を公式Twitterで告知すると、地域に住むユーザーの間で情報が広まり、「子供達が食べれなかった給食、、、たまたま近くにいたのでGET!!」「ちょっとパン買いに行ってくる」などと足を運ぶ人が続出。「素敵なフードロス対策」「関係者の方々、すごい機動力で感動した」「組織の危機管理のあり方として素晴らしいと思いました」と、その対応を称賛する声も相次ぎました。
担当者は「当日早朝の休校決定であったため、パン販売のお知らせから販売開始までの時間が短かったにもかかわらず、本公社のTwitterをご覧いただいた方から拡散いただくなど、多くの方に本公社のフードロス削減への取組みをご理解いただけたことに感謝しています」と感謝を伝えました。当日は約3万7000個が売れ、残ったパンは家畜の飼料として利用されます。
実は、こうした対応ははじめてでありませんでした。2021年9月17日の台風14号により全市一斉休校となった際には、同様に廃棄の危機にあったパン約2万6000個を一般向けに販売しました。また、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)などによる休校や学級閉鎖があった際にもパンを販売。2年前の台風14号による休校から、今回の一斉休校までに約11万1000個を販売してきたといいます。
今回の取り組みには「他の自治体でもやってほしい」といった声も聞かれています。同様の動きが、全国に広がるといいですね。
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