「妊娠中でも寿司が食べたい」をかなえる「加熱寿司」 3分で完売し日常用バージョンも登場、開発の背景を聞く(1/4 ページ)
「妊娠中でもお寿司が食べたい」という思いから始まり、進化し続ける「加熱寿司」。
妊娠中でも食べられる火を通したお寿司「加熱寿司」が2022年に登場しました。販売から約3分で売り切れる人気で、2023年7月には日常用のお寿司「てまり寿司」も発売されました。「子育て支援大賞2023」も受賞した加熱寿司、商品開発の背景や反響について、代表に取材しました。
「加熱寿司」を開発したのは、元大手食品会社社員の渡邊愛さん。自身が妊娠中だった2020年12月、「お寿司が食べたい妊婦さんの方はいますか?」とTwitterに投稿し、多くの人からの賛同を得ました。お寿司好きの渡邊さんは、感染症への抵抗力が低いとされる妊娠中に、自分と同様、好物の寿司を生ものだからと我慢している妊娠中の人が多いことを知り、それが開発のきっかけとなったといいます。
それから約1年かけて、「加熱寿司」を実現すべくクラウドファンディングに挑戦します。老舗すし店の協力、産婦人科医・湯澤憲子さんらの監修のもとで開発。調理の過程では、食材の中心部分を75度以上で1分以上加熱(厚生労働省『家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント』より)しました。煮る、焼く、蒸すといったネタの旨みを最大限引き出す加熱方法を選び、食中毒を防ぐために、調理器具は生ものを扱っていないまな板・包丁を使用しています。
2021年10月28日に始まったクラウドファンディングでは、焼きウニやイカ、クルマエビ、タイ、穴子などのネタをのせた箱寿司の「加熱寿司」を、リターンとして1人前15貫5900円(送料込み)円で販売(寿司は冷凍の状態で配送)。クラウドファンディングは1カ月後に目標金額の1113%を達成しました。「加熱寿司」には、妊婦に留まらず、病気治療中の人など、多くの人から賛同が集まりました。
翌2022年11月22日に「加熱寿司」の一般販売がスタート。こちらは握りずしで、海老、カンパチ、のどぐろ&ウニ、穴子、イカ、真鯛、玉子焼き、ホタテ、サーモンの1人前全9貫で価格は6900円(送料込み)。初回販売分は3分で売り切れ、その後の6カ月間で1500食を販売したとのことです。
さらに、お客さんからの「日常的に食べられる加熱寿司を作って欲しい」という声に応え、気軽に食べられる「てまり寿司」を開発し、2023年7月8日に発売しました。価格は4900円(期間限定3900円、送料込み)。クラウドファンディングでは多くの人に支持され、一般販売でも成功した「加熱寿司」。味や品質へのこだわり、新商品「てまり寿司」の売れ行きについて尋ねました。
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