かつての“メルヘン廃墟”がカフェに変貌 バブル観光地・清里の「ミルクポット」はなぜ復活したのか(1/2 ページ)
「高原の原宿」のランドマークが再スタートを切りました。
バブル期に人気を博した観光地・清里(山梨県北杜市)にある建物「ミルクポット」が、7月14日にカフェとして復活オープンしました。建物は清里のランドマーク的存在として知られましたが、その後閉鎖。ネット上では「メルヘン廃墟」として扱われたこともありました。ねとらぼ編集部は、ミルクポットを復活させた企業に復活のねらいを聞きました。
「駅前通りの『ミルクポット』が復活!本日新装オープンいたしました。外観の懐かしいフォルムはそのままに、店内全てが生まれ変わっています。ポットの中でゆっくりと、自慢のソフトクリームやクレープを召し上がって下さい」。清里エリアの観光PRなどを行うNPO法人清里観光振興会が7月14日、Twitter(現X)でこう告知すると、ユーザーからは「清里のシンボルが復活!」「懐かしい」「絶対行きたい」と歓迎する声が相次ぎました。
ミルクポットはその名の通り、ミルクポットの形をしたユニークな建物です。建物を管理する株式会社住信クリエーション(北杜市)の担当者によると、建てられたのは1980年代のこと。当時の清里は西洋風の建物やタレントショップが立ち並び、「高原の原宿」として若者の間で絶大な人気を誇っていました。その中でもミルクポットは、町の中心部にあるランドマーク的存在として知られていました。ネット上では、当時の店内でお土産などを販売していた様子などが投稿されています。
しかし、バブル経済の崩壊後、観光地としての清里は衰退の一途をたどります。町のあちこちで廃墟が目立つようになり、前述の担当者によるとミルクポットも20年ほど前には閉鎖されたといいます。Google Mapのストリートビュー機能で2015年6月時点のミルクポットを見てみると、ピンク色の屋根は色あせ、外壁もところどころ剥げている状態が確認できます。ネット上の記事では寂れた町の「メルヘン廃墟」として、たびたび取り上げられていました。
朽ちていく町のランドマーク。衰退に待ったをかけたのが、地元で不動産・リフォーム事業を手掛ける有限会社住信でした。同社は清里の活性化と観光客誘致のため、約4カ月かけて施設を改装。ソフトクリームやクレープを販売するカフェとして、ミルクポットを生まれ変わらせたのです。
オープン直後の休日となった7月15〜17日の3連休の人出は「とても良かった」と担当者は振り返ります。今後は「昔を懐かしみながらも、今の時代、これからの時代と融合しながら八ヶ岳の雄大で素晴らしい自然の中で多くの人に楽しんでいただける観光スポットとして末永く愛されるミルクポットを目指します」としています。昭和・平成レトロブームの中、復活したミルクポットから目が離せませんね。
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