通信大手のソフトバンクが、タレントのデヴィ夫人ことデヴィ・スカルノ氏を起用した格安通信サービス「ワイモバイル」のテレビCMの放映を終了していたことが分かりました。
スカルノ氏はジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川元社長による性加害問題を擁護するような発言をし、物議をかもしていました。ソフトバンクはねとらぼ編集部の取材に対し、CM終了は「期間満了のため」だとし、スカルノ氏による発言の影響は無関係と説明しています。
ソフトバンクは2023年夏から、ワイモバイルのテレビCM「バカンス篇」にスカルノ氏を起用。芦田愛菜さんや出川哲朗さん、小池栄子さんと共演していました。ただ、ワイモバイル公式YouTubeに投稿されていた動画は9月15日時点で削除されています。
ソフトバンクの広報担当者は9月14日、取材に「テレビCMは8月末で予定の放映期間が終了しました。あわせて動画も8月末に公開を終了しています」とCM放映が終了したことを明かしました。終了理由は「放映期間満了のため」とし、スカルノ氏の性加害擁護発言による影響は「関係ありません」としています。
スカルノ氏の発言
スカルノ氏は7月18日に自身のX(Twitter)で「ジャニー氏は半世紀に渡って日本の芸能界を牽引(けんいん)し、スターを育て、その非凡な才覚で何億何千万という人々を楽しませ、夢中にさせてきた。昨今の流れは偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥である」と、ジャニー氏による性加害を擁護するような発言をしていました。
また「ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた。死人に鞭打ちではないか。本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか」と投稿。
さらに、東山紀之氏がメインキャスターとして出演していた情報番組「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日系)での発言(現在はジャニーズ事務所の社長就任にともない降板)を引き合いに出し、「東山紀之氏は被害を訴えた元jr.たちの発言を『勇気ある告白』と表現し、『ジャニーズ』という名前の廃止についても言及した。その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか。非礼極まる。被害を訴えている人々は国連まで巻き込んで、日本国の日本人として、そんな権利がどこに与えられていると思っているのか。あまりにも嘆かわしく、恥ずかしい」とも発言していました。スカルノ氏の一連の投稿は、性被害者への「セカンドレイプ」だとする指摘が多数聞かれていました。
その後、ジャニーズ事務所は9月7日に記者会見を開き、ジャニー氏による性加害を事実と認めました。藤島ジュリー景子社長に代わり東山氏が社長に就任し、性被害者への賠償を行うと発表しています。
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