街を歩いていると、どこともなく漂う甘い香り。香りの正体は「金木犀(キンモクセイ)」。その香りは秋の訪れを知らせてくれるかのようです。そんな「金木犀の香り」は、毎年SNSにトレンド入りすることも! トレンドに入った日から、「金木犀の香り」と天気のひみつに迫ってみましょう。
金木犀(キンモクセイ)とは
朝晩の涼しさに秋を感じる頃、道を歩いていると、どこからともなくふわっと漂う甘い香り。その正体は金木犀(キンモクセイ)です。金木犀は庭先や公園に植えられ、道行く人に秋の訪れを知らせるかのように、香りを漂わせます。
金木犀の原産国は中国で、高さ5〜6mほどの常緑性の高木。9月から10月頃になると、オレンジ色の小さくてかわいらしい花が密集して咲きます。香りが強く、沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)とともに、三大香木と言われています。
その香りは昔から芳香剤などにも使われ、最近では香水やボディクリーム、ハンドクリームなどコスメ用品にも良く使われるようになり、9月にもなると、コスメ売り場などで店頭に並んでいるのを見かけます。また中国のお酒で、白ワインに金木犀の花を漬けてできた桂花陳酒も良く知られています。
SNSのトレンドにも入る! 「金木犀の香り」
そんな甘い香りを漂わせる金木犀。実はここ数年、毎年9月から10月になると「金木犀の香り」というワードがSNSにトレンド入りしています。
過去3年にさかのぼると、2020年10月1日、2021年9月11日、2022年9月28日にSNSにトレンド入りしています。それだけ「金木犀の香り」は皆さんの関心が高いということかもしれません。
どんな日が香りを感じやすい?
「金木犀の香り」がSNSにトレンド入りした日の天気(東京)から、どのような気象条件だと香りを感じやすいのか調べてみました。
2020年10月1日は午前9時頃まで雨が降っていて、日中は曇り空、夕方から晴れました。正午の湿度は75%と高め、最高気温は24.3℃でした。
2021年9月11日は午前中は曇りや雨で、午後からは日が差しました。最高気温は29.1℃、この日も正午の湿度は81%と高めになりました。
2022年9月28日の日中の天気は晴れ、最高気温は27.5℃、湿度は46%と低め、こちらはカラッとした暑さとなりました。
こうやって見てみると、カラッと晴れた日もありましたが、雲が多く、湿度が高めのほうが香りを感じやすいようです。またいずれの日も風は穏やかでした。
実際に、晴れの日よりも曇りの日のほうが香りを感じやすいと言われています。雨の前後に、土の匂いを感じたり、草花の匂いを感じたりした経験がある方は多いかもしれません。曇りや雨の前後は空気中の水蒸気が多くなり、香りの分子が空気中に留まりやすくなります。また風が穏やかだと、さらに長い間、香りを感じられやすいのです。
金木犀の香りの観測日記がおすすめ
気象庁では「生物気象観測」として、毎年、全国の気象官署で、さくらやうめ、あじさい、などの開花した日を観測しています。「金木犀」の開花や香りの観測はありませんが、さくらやあじさいの開花のように、「金木犀の香り」で季節を感じる方も多いですよね。
私は、毎年その年にはじめて金木犀の香りを感じた日を「きんもくせいの日」と名付けて、記録しています。自分自身がその年初めて金木犀の香りを感じた日を天気とともに毎年記録しておくと、自分だけのステキな観測日記になりますので、ぜひ記録しておくのもおすすめです。
またこれから散歩をするのもいい季節! ぜひ2週間天気で、お天気を確認して、金木犀の香りを探しにお出かけしてみてはいかがでしょうか。
参考:Trend Calendar(https://jp.trend-calendar.com/)
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