世界的ホテルチェーンのヒルトンがYouTube上で公開したCM動画が、日本の旅館を見下しているように見えるとして物議をかもしています。同社は批判を受け動画を削除し、「ご不快な思いをさせてしまった」として謝罪しました。
「ユーモアも感じられなければ、敬意もない」
物議をかもしたのは10月24日にヒルトン公式YouTubeチャンネルで公開された「とまるところで、旅は変わる。予定でいっぱいの休暇篇」。日本の旅館は入浴や食事、チェックアウト時刻など時間の制約が多い一方で、ヒルトンのホテルは食事の時間をずらすなど、時間の融通が利くとアピールした内容でした。
しかし、動画の内容は日本の旅館を見下しているように見えるとして、SNS上では「旅館は融通効かなくて、ホテルは顧客に寄り添うみたいな演出が悪質すぎる」「ユーモアも感じられなければ、敬意もない」「イメージダダ下がり」と批判の声が続出。また、ヒルトンでも食事などの時間的制約が設けられているとして、違和感を訴える声も聞かれています。こうした批判の後、動画は削除されていました。
動画について、ヒルトンの広報担当者は11月15日、ねとらぼ編集部の取材に「弊社が11月9日(木)から開始したグローバルマーケティングキャンペーン『とまるところで、旅は変わる。』の一環として、公開した広告動画『とまるところで、旅は変わる。予定でいっぱいの休暇』篇におきまして、不適切な表現がされているとのご指摘を受けました。お客様をはじめ関係各位の方々に、ご不快な思いをさせてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
また「当キャンペーンを開始するにあたり、日本国内で事前のクリエイティブ調査を行っており、弊社としては、心温まるホスピタリティを表現することを目的としており、消費者の皆様に否定的な印象を与える意図はございませんでしたが、ご不快な思いをさせてしまう結果となりました」と経緯を伝えました。今後は「今回の事態を真摯に受け止め、再発防止に努める所存」としています。
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