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母猫に「育たない」と判断された子猫を保護 不自由な目と耳を抱え、たくましく生きる姿に「涙が」「精一杯命を輝かせている」(1/2 ページ)

胸が熱くなります。

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 障がいを抱えながらもたくましく成長していく子猫の動画がYouTubeチャンネル「『ずっとのおうち』はどこですか?」に投稿され、13万4000回以上の再生数を突破。「見えなくても、聞こえなくても、精一杯命を輝かせている」「少しでも光が感じられます様に」とコメントを集めています。

 投稿者は、猫のボランティア活動グループ「にゃん太の会 にゃんたフェKOBE」の活動を、自身のYouTubeチャンネル「『ずっとのおうち』はどこですか?」にて発信している「めんま」さんです。

【神戸保護猫】目が見えない耳が聞こえない子猫。百福は光を見ることができるのか?

育児放棄された1匹の子猫

 8月下旬、「にゃん太の会」に相談者さんから依頼があり、外で生まれた6匹の子猫(生後約3週間)の保護と母猫のTNRを翌日に控えていたときのことでした。同じ相談者さんから緊急の連絡が入り、「茶トラの子猫が1匹だけ離れてぐったりしている」とのこと……。どうやら茶トラの子猫は目と耳が不自由で、母猫は外の過酷な環境の中では育たない子だと判断して育児放棄したようです。

百福は目と耳が不自由な子だった 目が見えず耳が聞こえません
片時も目が離せない ミルクボランティアさんが懸命にお世話してくれました

ミルクボランティアのもとへ……

 無事に子猫たち全員と母猫を保護することができ、子猫たちはそれぞれ別のミルクボランティアさんのもとへ。茶トラの子猫は「いっぱいの福がこれからあるように」という願いを込め、「百福(ももふく)」くんというお名前をもらいました。百福くんは保護当初危ない状態で、点滴とグルコース(ぶどう糖)の処置を行いましたが、けいれんを何度も繰り返し、歩こうとしても足に力が入りません。片時も目が離せない状態が続きましたが、ミルクボランティアさんは、懸命にお世話を続けました。

屈託なく天真爛漫に こんなに元気に成長!

力強く回復していく

 百福くんは、思いに応えるように力強い回復を見せ、元気いっぱいに成長。無事に離乳期を迎え、きょうだいたちと「にゃん太の会」メンバーのお家に合流することができました。百福くんは、気付けばきょうだいの中心にいる存在で、とってもやんちゃ。障害をものともせず、みんなと一緒にのびのびと遊ぶ姿を見せてくれます。それでも、他のきょうだいたちとは成長速度が異なる百福くん。しばらくはきょうだいの「メイ」ちゃんと一緒に保護部屋で生活することになりました。

脳圧を下げるお薬を お薬を開始することに

変化が……?

 百福くんが生後2カ月半を迎えた10月。動物病院で検査すると、百福くんの瞳孔は光に反応していました。治療として、しばらくは脳圧を下げるお薬をスタートすることに。すると百福くんは、薬の効果なのかは定かではないものの、遠くで聞こえる救急車のサイレン音を聞いたり名前を呼ばれたりすると、反応するそぶりを見せるようになります。もしかしたら、百福くんは音に反応しているのかもしれません。

百福は音に反応してるかも お名前を呼ぶと反応してくれます

にゃんプロも楽しめるように

 一緒に暮らしているメイちゃんは、百福くんを驚かせることが大好き。ハウスに入った百福くんに猫ちゃん同士のプロレスを仕掛け、「遊ぼう」と誘います。百福くんはメイちゃんにあっさりと抑え込まれてしまいますが、限られた感覚に集中して果敢に挑む姿は立派です。思うように技が決まらず、もどかしい気持ちを物に当たって発散させることもありますが、負けて悔しくても、絶対に諦めない百福くん。負けず嫌いで、勇敢な性格であることが伝わってきます。

 そんななか、百福くんはケージ最上階の登頂にも成功。高い場所にも自力で上り下りできるようになったのです。その表情はどこか満足そうで、見ているとほほ笑ましい気持ちになります。

 さらに、最初は壁伝いでしていたトイレも難なくこなせるようになり、最後の砂かけまでばっちり。日々の生活がトレーニングとなって、身体能力や空間認識能力を高めてきたのでしょう。

口あけてる茶トラ メイちゃんに負けて「ガーン」のお顔、かわいい
絶対に参ったなんてしない 負けず嫌いな百福くん
毛布をかじる子猫 もどかしい気持ちを毛布にぶつけます

ふたたび病院へ

 お薬を2週間続けた百福くんはふたたび動物院へ。先生の診断によると、やはり百福くんの瞳孔は光に反応しているとのこと。また、百福くんを診察台から降ろして自由にさせてみると、百福くんは初めての場所でもぶつかることなく、落ち着いた様子ですみずみをチェック。この様子に、先生は「ヒゲのセンサーを上手いこと使ってる感じですね」と解説します。

 百福くんは、お部屋に差し込む日差しや、ゆらゆらする陰影を目で追いかけたり自分の影をつかもうとするようなしぐさをするときがあるとのこと。またとってもおしゃべりなのだそうですが、聞こえないはずの自分の声をうまく調整しているようにも感じられるそうです。

 めんまさんは「百福の障害の範囲についてはわからないことばかりです。改善の兆しが今後少しでも出てくればどれほど嬉しいかと願います」「でも一番はやっぱり、百福自身が自分の生活を不自由と思わないでいられる環境づくりをしてくださる方と一緒に暮らしていけるなら、障害を抱えたままでも百福のニャン生は幸せだと思います」とも語っています。

 どれほどの音に反応し、どこまで見えているのか。百福くんの世界は百福くんにしかわかりませんが、百福くんなりに試行錯誤しながら、環境に適応しようとたくましく成長していることが伝わる映像でした。ハンデにもめげず、何事も諦めない百福くんの姿を見ていると、生きる勇気をもらえますね。

動画投稿のきっかけ

 投稿者のめんまさんは、YouTubeチャンネル「『ずっとのおうち』はどこですか?」を開設したきっかけとして「猫が好きでも、保護猫活動のその実態を私達はあまり知りません」「猫の命を救う活動には沢山の『時間』『人の労力』『お金』が必要な事を知りました。そんな活動を一人でも多くの方に知ってほしいと思った」と書いています。

 百福くんのエピソードは現在6話まで公開されており、今後も引き続き成長の様子を配信していく予定とのことです。

 百福くんや、「にゃん太の会 にゃんたフェKOBE」の活動を応援したい人は、同チャンネルをのぞいてみてはいかがでしょう。

一緒に時間を重ねる メイちゃんがいる場所を探す百福くん
経験値となって積まれて行ってる めげない挑戦が百福くんを成長させています
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画像提供:YouTubeチャンネル「『ずっとのおうち』はどこですか?」

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