総合スーパー「イトーヨーカドー」を運営するイトーヨーカ堂は、東北・北海道エリアなどの一部店舗を、他社に事業譲渡すると2月9日に発表。譲渡先企業には食品スーパー「ロピア」を運営するOICグループ(神奈川県川崎市)が名を連ねた。事業を引き継ぐスーパーの特徴とは。
高コスパで消費者評価も高い「ロピア」
発表によると、屯田店、琴似店(いずれも北海道札幌市)、青森店(青森県青森市)、弘前店(青森県弘前市)、花巻店(岩手県花巻市)、丸大新潟店(新潟県新潟市)、アリオ上田店(長野県上田市)はいずれも2024年8月〜2025年3月頃に、ロピアなどを運営するOICグループに引き渡し予定。
7店舗を受け入れるOICグループは、食品スーパーのロピア、ホームセンターとスーパー業態を展開する「スーパーバリュー」などを運営している。中でも中核チェーンとなるロピアは、総菜や生鮮品のコストパフォーマンスの高さで知られ、国内の人気スーパーを決めるTBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のコーナー「スーパー総選挙」では毎回ランキング上位に輝くなど、消費者の評価も高い。
ロピアはこれまで、創業地の神奈川を中心とする関東エリアに展開していたものの、2020年に近畿、2022年に中部、2023年には九州と東北地方に進出するなど、ここ数年で出店規模を広げていた。まさにスーパー業界の「新興勢力」と言えることもあってか、今回の事業譲渡には「ロピアって何者だ?」「聞いたことない」といった反応も聞かれた。
なお、テレビのニュースでおなじみの名物社長・秋葉弘道氏が手がける食品スーパー「アキダイ」も同グループ傘下だ。
石巻あけぼの店(宮城県石巻市)は2025年3月頃にヨークベニマルに、アリオ札幌店(札幌市)は2025年3月頃にダイイチにそれぞれ引き渡しされると発表。また、ダイイチの発表では、同じく閉店予定の帯広店跡への出店も2024年夏以降に行うとしている。
ヨークベニマルは南東北、北関東エリアに展開する食品スーパー。ともにセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーと同じ鳩のマークが特徴で、東北では高い知名度を持つ。2023年11月末時点の店舗数は、イトーヨーカドーの227店舗に対し、ヨークベニマルが246店舗となっており、セブン&アイ・ホールディングスのスーパー事業としては最多の店舗数だ。
ダイイチは北海道帯広市で創業し、札幌や旭川、帯広といった道内主要都市に出店する食品スーパー。2013年にはイトーヨーカ堂と業務資本提携を結び、2023年11月にはイトーヨーカ堂が参画する札幌・ススキノの再開発商業施設「ココノススキノ」に出店していた。
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