「はかせになりたい」という夢を抱く少年の今は……? 子どものころの夢を叶えた男性のビフォーアフター写真がX(Twitter)に投稿され、記事執筆時点で1万3000いいねを獲得しています。
夢を叶えた少年の姿に反響
投稿者は、せおうみわたり(@ellaza80)さん。
“ビフォー”の写真では、少年時代に教室で撮ったとみられる写真が貼られた台紙に、「ぼくは、はかせに なりたいです」と書かれています。
一方、現在の“アフター”の写真では、「東京大学 学位記授与式会場」と書かれた立て看板の横に、角帽とマント姿の男性が少年時代と同じ笑顔で立つ姿が収められています(学位記授与式とは大学や大学院の卒業式のこと)。
せおうみわたりさんは、「これがこうなって博士になりました! 今後も研究頑張ります」と投稿につづっています。
「はかせ」になりたい少年が年月をへて、本当に博士になったことを伝えるこの投稿が大きな反響を呼んでいます。
「当時の博士のイメージはオーキド博士」
編集部は、せおうみわたりさんに話を聞きました。
――現在の研究分野について教えてください
せおうみわたりさん:生物の最小構成単位である細胞から部品を取り出し、それを試験管内で組み立て直すことによって人工的に細胞を創ろうという研究を行っています。それだけでは化学反応によるシステムにすぎない部品の組み合わせが、どのようにすると生命たり得るのか、という点に興味を持っています。分野としては合成生物学が該当します。
――「これがあったから夢を叶えられた」という出来事があれば教えてください
せおうみわたりさん:実は、子どものころの夢をそのまま叶えたという感覚はあまりないです(笑)。というのも、当時の博士のイメージはポケモンのオーキド博士や、動物番組に出てくる博士といった「物知りですごい人」で、実際に何をやっているかはよく分かっていませんでした。
その後、高校生のころに本物の研究者とお話してからそれまで漠然としていた「博士」が「最先端の知を求める研究者」に変わり、そこから博士号取得を目指すようになりました。この出会いが一つの転機だったと思います。
――今後の目標や夢を教えてください
せおうみわたりさん:当時からずっと思っている夢は「ポケモンを作りたい」です。ただ、これはあまり現実的ではないです(笑)。博士にはなれましたが、研究者としての道はまだまだこれからです。もっと面白い研究を続けていけるよう、頑張ります。
(了)
せおうみわたりさんの投稿には、多数のお祝いの声や、「子供の頃の夢を実現させるのは素敵」「この初志貫徹は素晴らしいですね」「こういうのが1番かっこいい」「なんか母目線で涙出てきちゃいました」というコメントが寄せられています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.