バラエティー番組でも特集が組まれるなど、近年注目を集めるプロ野球本拠地のスタジアムグルメ(スタグル)。中でも埼玉西武ライオンズは、全12球団のうち最も「球場飯」が美味しいと評判だ。人気の秘密はどこにあるのか。実際にスタジアムを訪れ、その理由を探った。
複数調査で「人気1位」の結果
「野球が観られる巨大フードコート」「野球が観られる食堂」――。西武の本拠地・ベルーナドーム(埼玉県所沢市)に対する、SNS上のプロ野球ファンによる論評だ。
西武のスタグル人気の高さは、複数の調査が裏付けている。ねとらぼ調査隊が2021年から実施している「【プロ野球】『球場飯がおいしいと思う球団』ランキングTOP12!」では、2023年にかけて3年連続で12球団トップの票を獲得。いずれの年も、2位に大差をつけた“断トツ1位”だ。
また、慶應義塾大学理工学部の鈴木研究室が行った「プロ野球のサービスの満足度調査」でも、西武の「スタジアムフードへの評価」は2023年、2024年の2年連続で12球団トップの数値となった。
なぜ、西武のスタグルはこれほどまでに支持を集めているのだろうか。ねとらぼ編集部は5月下旬、実際にベルーナドームに足を運び、その秘密を探った。
球場最寄りの西武球場前駅に降り立つと真っ先に目に入るのは、ずらりと並んだキッチンカーだ。ローストチキン、バインミー、スパイスカレーなど、味にこだわった店が10店舗前後出店している。
しかし、これはまだ序の口。球場正面のゲートをくぐると、さらにたくさんの店が球場外周を囲むように出店しており、いよいよ12球団一の「グルメスタジアム」の本領発揮となる。
球団広報によると、ベルーナドームに出店している飲食店の数は約70店舗で、メニューは1000種類以上。これは「12球団最大級」の数字だという。出店する飲食店のジャンルは和食、中華、イタリアン、韓国料理、エスニック、メキシコ料理……と数えきれないほど多様で、まさに「野球が観られる巨大フードコート」との表現がしっくりくる。
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