“3億円近い赤字”も…… ガリガリ君の「やっちゃった味」って何?→“禁断の質問”を赤城乳業に聞いたらとんでもなかった(1/3 ページ)
これまで発売した味は160種類以上!
ガリガリ君といえば子どものころからなじみ深いソーダ味の定番氷菓ですが、実は多種多様なフレーバーが発売されています。これまでかなーり多くのフレーバーが発表されたからには、ぶっちゃけ「やっちゃった!」と思っている味もあるのでは……? 聞きづらいけど気になっちゃうある意味“禁断の質問”を製造元の赤城乳業に聞いちゃいました。
「ガリガリ君」には何種類くらいの味がある?
―― 最初に、ガリガリ君が生まれたきっかけを教えてください。
赤城乳業: 1964年、当時かき氷は店先で食べるのが主流でしたが、「もっと手軽に食べられるように」という思いを込めて、カップに詰めた「赤城しぐれ」を発売したところ、人気商品となりました。
しかし、1970年代のオイルショックによるコスト高の影響を受けて「赤城しぐれ」を30円から50円へ値上げした一方で、他社アイスメーカーは値上げを踏みとどまったため、値上げをした「赤城しぐれ」の売れ行きが激減してしまい、会社が危機的状況となってしまいました。
そんな会社のピンチを打開すべく「子どもが遊びながら片手で食べられるかき氷を作れないか?」との思いから新商品開発をスタート。これがガリガリ君誕生のきっかけとなりました。
―― ガリガリ君シリーズのフレーバーが増えはじめたのはいつごろからでしょうか。また、いままでに発売された味は何種類くらいでしょうか。
赤城乳業: ガリガリ君は発売当初、「ソーダ」「コーラ」「グレープフルーツ」の3種類からスタートし、これまでに160種類以上のフレーバーを出してきました。
2000年以降は、ガリガリ君のキャラクターを大幅リニューアルし、TVCMの放送もスタート。夏だけでなく年間を通してガリガリ君を食べてもらいたいとの考えから、季節に合わせたフレーバーや、お客さまの声を反映したフレーバーを発売するなど、ガリガリ君をより身近に感じてもらえるような工夫とともに展開しています。
―― なぜさまざまな味に挑戦し続けるのでしょうか。
赤城乳業: 先ほどお話した、季節や旬に合わせて食べたくなるフレーバーを出しているということ以外には、「ガリガリ君がお客さまの1つのコミュニケーションツールになれば」という考えがあります。
「ガリガリ君、次はこんな味が出るんだって!」「ガリガリ君の新しい味食べた?」など、会話のワンシーンにガリガリ君が登場するような話題作りという要素も意識しています。
ぶっちゃけ「やっちゃった」という味は?
―― 挑戦の歴史のなかで、「これはやっちゃった!」という味はありましたか?
赤城乳業: 失敗作としては2014年発売の「リッチナポリタン味」があります。2012年「リッチコーンポタージュ」、2013年「リッチクレアおばさんのシチュー味」に続く「予想外のワクワク感」をお届けするフレーバーの第3弾として発売した商品でしたが、「ナポリタンの再現性(リアルな味)」に注力しすぎてしまったせいか、お客さまからは「まずい!」との厳しいご意見を多数いただいてしまいました。
商品としては“3億円近い赤字”となってしまい、いわゆる失敗作ですが、その大きな失敗のおかげで「いろいろな味に果敢にチャレンジする姿勢」や「遊び心のある会社」といった企業イメージを持っていただくきっかけの1つとなり、会社全体で見ればプラスの効果もあったように思います。
―― 3億円近い赤字! 激しいですね。もし差し支えなければ、ガリガリ君シリーズの人気ベスト3、ワースト3も教えてください。
赤城乳業: ベスト3は1位から順に「ソーダ」「梨」「リッチコーンポタージュ」、ワースト3は「リッチナポリタン味」「リッチサンキューベリーマッチャ」「リッチたまご焼き味」です。
―― リッチシリーズの存在感……! ちなみに、今後予定している展開などありますか?
赤城乳業: 新商品としては、7月30日から「ガリガリ君梨」が発売されています。梨アイスの中に、シャクシャクとした食感が特徴の梨かき氷を入れたアイスキャンディーです。ガリガリ君ソーダのかき氷と比較して、細かい氷の割合を多くすることで、本物の梨を食べているような食感がお楽しみいただけます。
その他、暑い夏を楽しく乗り切っていただけるようなガリガリ君の企画・商品も予定しておりますので、ぜひ楽しみにしていただけると幸いです。
※取材協力:赤城乳業
文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。これまでに、『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどに問題を提供する。2023年、「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。
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