透明バーガーを作ってみる動画がYouTubeに投稿され、79万回以上の再生、4万5000件を超えるいいねを集めています。
ベーコンエキスにとろみを付けて焼く
動画を投稿したのは、理論的アプローチによる実験的な料理法などを紹介するYouTubeチャンネル「The Food Theorists」。今回は、世界初という“透明ベーコンチーズバーガー”作りに挑戦します。
YouTubeなどでは近年、透明な食品を作るのが流行しています。しかし、その多くはゼラチンを成形しただけのもので、味付けすらされていないものがほとんど。そこで、今回の動画では、透明なだけでなく味わいも再現していきます。
まず着手したのはベーコンとケチャップの透明化です。ベーコンは焼いて油分を取り除き、1時間茹でてエキスを抽出します。一方のケチャップは、まずトマトスープを作り、そこに卵白を入れて不純物を吸着させます。卵白を取り除くと、透明に近いトマト味の液体が残りました。
ベーコン味の液体とトマト味の液体に、それぞれコーンスターチでとろみをつけ、ベーコンエキスはベーコンの形に広げてオーブンで加熱します。トマトのほうは煮詰めて他の調味料で味を調整します。
バンズに苦戦
透明なピクルスはピクルス液をゼラチンでゼリー状に固めて作り、チーズは酵母とバターを使ってビーガン風の透明チーズを作りました。
肝心のビーフパティは、牛肉のスープに卵白を入れて不純物を取り除いて透明に近いスープを得たら、やはりゼラチンで固めます。
バンズは、水と片栗粉とコーンスターチを煮てからオーブンで焼きましたが、なかなかうまくいきません。材料の比率や焼き方を変えてみましたが、ふっくらしたものはできず、サクサクした見た目の透明の板で手を打つことになります。
気になる味は……?
パーツがそろったところでいよいよ、透明ベーコンチーズバーガーを作ります。サクサクなバンズの上にゼリー状のビーフパティ、日焼けの後にむいた皮のようなベーコン、ゼリー状のチーズ、ゼリー状のピクルス、白濁したケチャップ、サクサクなバンズを重ねると完成です。
ゼリー状の具材がほとんどなので、普通に食べると中身がぐちゃぐちゃとこぼれ落ちます。これをキレイに食べるには、ひと息に口に入れてしまうしかありませんが……?
肝心の味は、作った本人によると「ピクルスと悪夢以外の味はしなかった」とのこと。自分を納得させたいのか、「口の中に長くあるほど良い味がしてくる」とも発言しましたが、ひと息に口に入れたときは思わずシンクに吐き出していました。
また、味見をしたスタッフのひとりは、「プラスチックをかじったら、ウェットタイプのキャットフードの底にあるゼラチン上の物質が入っていた感じ」と表現。一方で、ピクルス好きだという人は、「ピクルスバーガーを求めているなら良い」と評し、おかわりを求めました。
なお、このすべての作業には2日半かかったとのこと。今度は「透明なステーキディナーに挑戦する」と意気込みを見せていました。
「人道に対する罪」「狂気」
ほとんどの人にとっておいしくないであろう透明バーガーの誕生に、「これは人道に対する罪だ」「これこそ私がこのチャンネルに求めていた狂気だ!」「バンズが猫砂で作ったように見えるよ」「正直、気持ち悪い」などの反応が寄せられました。
一方で、「少なくとも1人がおかわりしたくなるような透明なハンバーガーを作ったのだから、これは間違いなく成功です」と評価する声も上がっています。
※画像は「The Food Theorists」のYouTubeチャンネルより引用
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