深海に生息する海綿動物「カイロウドウケツ」を採集して中を開けてみた様子がX(Twitter)に投稿され、記事執筆時点で約27万回表示を記録。貴重な映像・写真に感動する声が上がっています。
カイロウドウケツを捕獲
投稿したのは、高知大学 理工学部 生物科学科2年生の饗場 空璃さん(@Sorari_Aiba)。魚類を研究し、自宅でも海水魚を飼育しています。
カイロウドウケツは海の底に固着している円筒形の海綿動物の一種で、きれいなガラス質の骨格が特徴です。そしてその中には小さなエビ「ドウケツエビ」がつがいで暮らしていることがあるそうです(参考:鳥羽水族館)。
中で暮らすドウケツエビを実際に見つけて観察することに成功
饗場さんはこれまで実物を見たことがないドウケツエビを探すため、10月8日に漁師さんの協力を得てたくさんのカイロウドウケツを採集。翌日に実際に中を開いた様子を公開し、「本当にカイロウドウケツを開けたらドウケツエビが入っているとは!!本当に感動です!」とドウケツエビを見つけたことを報告しました。
出てきたドウケツエビは半透明に近い見た目で、じっくり観察した饗場さんは「成熟したメスは卵巣が翡翠色で非常に美しいですね!」とコメントしています。
ちなみにドウケツエビは幼生のころにカイロウドウケツの中に入り、成長するなかで雌と雄に分かれるとのこと。大きくなると出られなくなり、彼らはそこで一生を送るのだとか。まさに「偕老同穴(かいろうどうけつ)」ですね。
貴重なドウケツエビの姿に感動する声
投稿されたXでは「ドウケツエビの新鮮な写真!レアだ!」「なかなかこうしてドウケツエビをジックリ見られる機会って無いですものね。すばらしい!」「感動しました」などの声が寄せられ、記事執筆時点で2300件超の“いいね”を記録。なかにはカイロウドウケツを任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」で知ったというユーザーから、「リアルで(エビ)がカイロウドウケツの中にいることにすごく感動!」なんて声もみられました。
饗場さんは10月26日〜27日に戸田市役所(埼玉県戸田市)で開催される「第42回商工祭」にて深海魚祭りを主催。深海ザメの解剖講義や、なかなか見られない深海生物などを展示、カイロウドウケツも展示する予定です。さらに、最終日はカイロウドウケツを含め一部の展示物を持ち帰れるそうなので、興味のある方は饗場さんのXをチェックするといいでしょう。
画像提供:饗場 空璃(@Sorari_Aiba)さん
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