球場を盛り上げ、選手とファンをつなぐチアリーダー。中でも、台湾プロ野球(CPBL)のチアリーダーは数年来、日本のファンからも熱い視線が向けられています。
11月に開催された野球の国際大会「第3回 WBSCプレミア12」では、東京ドームでのスーパーラウンド決勝で日本を下し、うれしい初優勝を飾った台湾。一般外野席から応援する台湾チアの姿が目に留まった方も多いのではないでしょうか。
台湾チアを“箱推し”するねとらぼでは多くの台湾チアにインタビューし、それぞれの魅力をお届けしています。今回お話を聞いたのは、「味全ドラゴンズ」のチアチーム「Dragon Beauties」(以下DB)の霖霖(リンリン)さん。
2020年に台湾のプロバスケットボールチーム「新竹御嵿攻城獅」のチア「Muse Girls」に入団。その後2022年8月にDBに練習生として入団、2023年に正式メンバーに昇格した霖霖さんは、無邪気な笑顔と完璧なスタイルのギャップで人気がうなぎ上り。2024年からはDBの副隊長に就任した霖霖さんに迫ります。
ファンの存在は本当に励み
―― 初めに、チアリーダーになられた理由を教えてください。
霖霖 大学卒業当時、何の仕事をやりたいかが見つからず、その時にたまたま見かけたのがチアリーダーの募集で、取りあえず試してみようと応募したのがきっかけです。正直なところ受からなくてもしょうがないぐらいの気持ちでした。結果的に合格できて、幸運なことに今でもチアの仕事が続けられています。
―― チアリーダーになる前から野球に興味はありましたか?
霖霖 もともとバスケのチアをしていたのですが、試合数が非常に少なくて。そこで野球の方にも挑戦してみようという流れでした。味全のチアになるまで野球は全く知らなかったのですが、チアを始めて応援していくうちに大好きになりました。
―― チアリーダーをしていて、うれしいこと、反対に大変なことを教えてください。
霖霖 うれしいのは、試合に勝ったとき、「やったー勝った!」というあの空気感をファンの皆さんと共有できることです。あとは客席で自分のタオルを掲げてくれている人が増えたのが見て分かるとき、ファンの方から良いメッセージをもらったとき、そんなときにうれしい気持ちになります。「今日すごく疲れたな……うまくできていたかな……」というときに、応援のメッセージをくださるファンの存在は本当に励みになります。
大変という点では、私はチアになる前にダンスをガッツリやってきたわけではないので、練習をはじめ、ダンスの面で学ばないといけないことは少なくなかったです。強烈な日差しの日も、風が吹く日も踊らなければいけないですし。時には大雨の中出勤し、遅くまでずっと待って、雨天中止なんて試合もあったりして……こんな日はやっぱり大変です。
―― 特に好きな応援歌はありますか?
霖霖 私が一番好きなのは「紅潮凱旋」です。この曲は味全の勝利時にだけ流れる応援歌、つまりこれを踊っているということは、私たちがその日勝ったということなので。
―― 反対に踊っていて大変という曲はありますか?
霖霖 大変なのは、チャンステーマの「RED不可當」です。この曲を使うのは勝負所の場面が多く、一度かかるとそこから長く踊ることになることが多いからです。加えて新しい曲で動作も多くて大変。メンバー内でもこの曲は他のチャンステーマより踊っていると疲れるという話を聞きます。時間の長さと動きの多さ(疲労度)という点で、この曲が一番大変です。
―― チャンスの際には同じチャンステーマをずっと流す場合と、曲を変えていく場合がありますが、チアの皆さんからするとどちらが大変なのでしょうか?
霖霖 私たちのチームの場合は、基本的にバッターがアウトになるごとにチャンステーマが変わります。もちろん誰にもアウトになってほしくないので、曲が変わらないときの方が私は好きです。
―― では選手で特に好きな選手、紹介したい選手がいれば教えてください。
霖霖 カッコ良いという点で言うと最近一軍デビューした「阿嘎」こと張祐嘉選手ですね。球場でプレーを見るなら外野手の郭天信選手です。私が入った当初、どんなボールでも一心不乱に、死すら恐れずに飛び込んでいくようなプレーを見て、何て真剣にプレーする選手なんだと引かれました。外見のかっこよさなら張祐嘉選手、プレーは郭天信選手がお気に入りです。
わんぱく娘・霖霖
―― 2024年からはDBの副隊長に就任され、チーム内での立場にも変化があったかと思います。心の持ちようの点で、去年までとの違いはありましたか?
霖霖 2024年は自分がようやく大人になれたように感じます。これまではプライベートだけでなく、練習中やステージ上でも、私はどちらかというと元気があっていたずら好きという感じでした。少し皮肉を言ったり、反発するような発言をすることもありました。
副隊長という立場になると、こういうことはできないですね。みんなが時間通り来るか、忘れ物してないかなど周囲に気を配らないといけないですし、自分でも本当に成長したなと思います。
―― そうした切り替えは霖霖さんにとって大変なことでしたか?
霖霖 自分の本来の性格は、わんぱくな感じなので、自分の思ったことと反対のことを言わないといけない場合もあって大変でした。自分を抑えるのが少しつらいこともありますが、副隊長として努力しています。
―― 副隊長として今後DBをどんなチームにしていきたいですか?
霖霖 もちろんどんどん良くなっていってほしいというのは当然ですが、それに加えて台湾のチアリーダーと言われたときに、まず味全ドラゴンズの小龍女(DB)が思い浮かぶ、そんな風になれば良いなと思います。
―― 霖霖さんは野球とバスケ両方のチームに所属されていますが、チアをやる上で2つのスポーツの違いはどんな部分になりますか?
霖霖 バスケの方が試合数が少ないです。あとクーラーがあるのは良いですね。試合の時間も比較的決まっているので、仕事の終わる時間も何となくめどがつきます。野球の場合は、暑さとの戦いや雨風の中踊らないといけない点はバスケより大変です。何より試合時間が全く読めません。反面、野球の方が注目される機会は断然多いです。バスケはオープニングダンスがメインで、選手ごとに応援したりする訳ではないので、野球のチアの方が知名度が高くなりがちなんです。
―― 私たちの霖霖さんのイメージは、正義感が強く優しい女性というイメージですが、ご自身ではどんな性格だと思われていますか?
霖霖 わんぱくなのは間違いないです。後は意図を誤解されることを避けたくて、ストレートな物言いをするタイプだと思います。回りくどい言い方はあまり好きじゃないんです。
あと最近、自分がきれいでいることが好きな人間なのだと気づきました。お化粧などで鏡の前で長い時間を過ごすことがたびたびあり、そう感じるようになりました。
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