図書券・図書カードって今どうなってるの? 進化の歴史をまとめてみた
えっ、「図書カード」も発行終了してたの?
えっ、「図書カード」も発行終了してたの?
入学・進学シーズンの贈り物としておなじみの図書券や図書カード。大人になって見かける機会が減った……という人もいるでしょうが、実は最近、これらが進化していることはご存じでしょうか。
今回は図書券/図書カードの歴史と、最新の図書カード事情について、発行元企業である日本図書普及に取材しました。
図書券は発行終了。図書カードも……
図書券(全国共通図書券)の発行が開始されたのは1960年のこと。当初はなんと、「20円券」の15枚つづりや50枚つづりという形式でした。その後、40円券や50円券、100円券が登場し、1998年からは見慣れた印象のある500円券のみになりました。
日本全国ほとんどの書店で利用できるほど普及した図書券ですが、釣銭に関するトラブルが起きやすかったり、回収や流通の手間がかさんだりするなどの問題点も。そこで1990年には、図書券と平行して「図書カード」が発行されるようになりました。
磁気カード式で釣銭の処理が不要になり、図書カードは図書券に変わって主流に。さまざまなキャラクターを使ったオリジナルデザインも人気を集めました。その結果、2005年には図書券の新規発行が終了し、図書カードに完全移行しました。
しかしその図書カードも、2016年5月には発行を終了してしまいます。理由としては、テレホンカードなどをはじめとする磁気カード市場が縮小し、カード自体の素材費が高騰したことや、強い磁気に近づけたなどでカードにエラーが出るケースが増えたこと、カードの読み取り機が少なくなったことなどが挙げられます。
ちなみに、過去に発行された図書券や図書カードには有効期限がないため、加盟店であれば、今でも手持ちの未使用品(図書カードであれば残額があるもの)を利用できます。
「図書カードNEXT」の登場
旧図書カードの発行終了に伴い、2016年6月に新たに登場したのが「図書カードNEXT」です。
素材は従来の磁気カードから紙になり、裏面に印刷されたQRコードを書店の専用端末で読み取ってネット経由で残額を管理する方式に。また、スマホアプリやWebサイトからカード残額や利用履歴を確認できるようになりました。
さらに2018年からは、カードの現物は必要なく、スマホなどに表示したQRコードのみで利用できる「ネットギフト」という新機能も追加されています(現在は企業や団体の配布用のみ)。
日本図書普及によれば、図書券の時代から現在の図書カードNEXTまで、需要が高まるのは「春の入学・進学シーズンや年末年始、クリスマスプレゼントやお年玉として贈られることも多い」とのこと。子どもに読書習慣をつけてほしいときや、現金ではどこか味気ない……というときに、今でも図書カードが選ばれているようです。
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