圧倒的な3大チェーンの強さと、中堅・ローカルコンビニ受難の歴史。
「独自性」がかなわない
「スパー」はお店ごとの経営の独自性が保てるボランタリーチェーン。またほかのチェーンとの違いを出すため特色のあるサービスの導入も行い、1995年にPHSの販売を全国のコンビニに先駆けてはじめたこともあります。
最後は北海道スパーのみの営業となっていた(by RJD)
しかし本部の権限が強いフランチャイズチェーンに押され衰退し、2016年8月末までに全店のスパーとしての営業は終了。その後、最後に残されていた北海道スパーの多くの店舗がハマナスクラブと名を変え、セイコーフレッシュフーズに本部機能を移すことになりました(一部は閉鎖やセイコーマートになった店舗もあり)。その他はローソンやファミリーマートなどに転換されています。
神奈川県民が愛したスリーエフ、単独店がなくなる
「スリーエフ」は1979年、神奈川県横浜市に1号店をオープン。チルド(冷蔵)での弁当提供をいち早く実施していました。
「中堅だからこそできる戦略」に徹し、キユーピーと提携して無農薬のレタスやサラダ菜の供給を受けて商品に利用。地元神奈川県の食材を使ったメニューや、手作り感や鮮度の良さを打ち出した独自の食品などを展開してきました。
しかし大手が出店を増やす中、業績が低迷。赤字も出る中で2016年4月にローソンとの提携で生き残りを図ることになり、さらに2017年4月、スリーエフ単独店舗の消滅が決定(関連記事)。2018年1月30日、全ての店舗が姿を消しました。
いまスリーエフはローソン・スリーエフと姿を変えましたが、スリーエフのオリジナルブランド「F-STYLE」のデザート「もちぽにょ」を引き続き販売していたり、スリーエフが得意としていたチルドならではのフレッシュさを生かした手巻寿司やボリュームたっぷりなお弁当を発売しています。
「ありがとう、39円アイス」
群馬県民の心のコンビニといえば、1984年にオープンした「セーブオン」でした。2014年には600店舗を突破し、「セーブ(save)」の名前通りの少しでも安くて良いものを販売する“節約コンビニ”。目玉の39円アイスや、172円の牛乳、102円の食パン(全て税込)など、スーパーにも対抗しうるほどの価格と利便性を兼ね備えていました。
しかし2017年2月にローソンとのメガフランチャイズ契約の締結を発表、セーブオン全店舗の閉店が決定(関連記事)。中堅が大手と戦っていくことの苦しさに加え、セーブオンの平田実社長によると「ATM(現金自動預払機)や電子マネーが整備できておらず、オーナーから変化を求める声もあった」という時代の要請もあったようです。
完全閉店は2018年8月31日でした。上京した群馬県民も、この日のために群馬へ帰った人が多かったほど。「また498円の1キロカレーが食べたい」などの声を残して、34年の歴史の幕が下りました。
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