新型コロナウイルスの影響で利用者が伸びているWebサービスを緊急調査
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新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大を受けて、国内では大規模イベントの自粛、小中高の一斉休校、テレワークやリモートワーク推奨など様々な対策措置が取られています。生活者の行動や価値観にも大きな影響を及ぼし、かつてない社会情勢の中、2008年のリーマンショック以降に見られた「巣ごもり消費」にも注目が集まっています。外出を控え家の中で生活を楽しむこの消費傾向。しかし実際には、どのようなWebサービスが伸びているのでしょうか。また、変化の波はどこで起きていたのでしょうか。直近約2か月の消費者ネット行動ログから緊急調査しました。
トレンドが変化したの2月24日と3月1日
まず、2020年1月10日から3月4日までの期間で、国内の主要Webサイト全体のUU数を調査し『どのあたりでトレンドが変化したのか?』を分析してみました(下図参照。グラフは2月以降を掲載)。
その結果、2月24日と3月1日に日別のUUのトレンドが大きく変わったタイミング(変化点)を迎えているサイトが多いことがわかりました。
2月24日は「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が開催され、「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解が示され、翌25日の政府による新型コロナウイルス感染症対策の基本方針発表につながり、大きなターニングポイントだったと言えるでしょう。
3月1日については、前日の29日に安倍首相が会見し、小中高への休校要請の背景を説明。既に休校が始まった地域もありました。加えて、大規模なスポーツや文化イベントについては中止または規模縮小などの対応を要請した影響が、色濃く出ていると考えられます。
2つの変化点で伸びているWebサービスは?
大きな変化点となった2月24日と3月1日で、具体的にどのようなWebサービスが伸びていたのか、株式会社ヴァリューズが保有するモニターパネルの消費者ネット行動ログから調査しました。
地方自治体、ドラッグストアをはじめ、オフィス用品の通販サイトも需要拡大
まず、2月24日にUU数が伸びたのは内閣や地方自治体のサイト、そしてドラッグストア。加えて、「Forestway」や「カウネット」、「たのめーる」などオフィス用品の通販サイトでした。今後1~2週間が感染拡大の瀬戸際との見解に、マスクや消毒剤など感染対策商品を求める需要が一気に拡大したものと考えられます。
観光、おでかけ、旅行系メディアは苦戦
一方、2月24日に日次UU数がダウンしたサイトを見てみると、観光情報や子供とのおでかけ情報メディア、温泉など旅行情報メディアが多数あがりました。トラベル業界への影響が出ている様子が浮き彫りとなっています。
電子コミック、子ども向けメディアの伸びは休校措置の影響か
3月から休校措置が始まった学校も多く見られましたが、3月1日にサイトUUが伸びたサイトを見てみると、「ジャンプBOOKストア!」や「小学館eコミックストア」などの電子コミックのECサイト、また、「Yahoo!きっず」など子ども向けメディアも早くもUU増加が見られました。
さらに、「中小企業庁」のサイトもランクインしており、経済産業省の支援策や資金繰りの問題に直面している経営者、事業者の深刻度が垣間見えます。
親子コミュニケーションを助けるアプリも利用者増加
最後に、スマートフォンのアプリについても、利用者が急増したアプリをピックアップしてみます。
まず、タブレットで学ぶ通信教育「スマイルゼミ」を提供する、株式会社ジャストシステムの「みまもるトークアプリ」。子どもが専用タブレットで学習すると、学習結果が家族専用タイムライン「みまもるトーク」に届き、学習進捗が分かるほか、タイムライン上で親子でメッセージのやり取りもできます。学校が休校になり、こうした通信教育やコミュニケーションツールを活用する親子も増えていることが考えられます。
そして、ディズニー、ピクサー、スター・ウォーズ、マーベルの新作を含む映画・動画が見放題のディズニー公式動画サービス「Disney DX(ディズニーDX)」のアプリも利用者が増加しています。休校により自宅で一日を過ごす親子のニーズが高まっているのかもしれません。
まとめ
2月末~3月初旬の時点では、新型コロナウイルスに関する情報収集、マスク・消毒液など感染対策商品への需要拡大、休校措置による親子の対応が、ネット行動にも顕著に表れていました。現状はまだ混乱が続いている様子ですが、今後、国内感染者の拡大に歯止めがかかるなど、もう少し事態が落ち着いてくれば、家の中での消費を楽しむ余裕も出てくるのかもしれません。
通信教育、オンライン英会話などの教育サービス、動画やゲームなどエンタメ業界では、サブスクサービスで3月中は無料を打ち出しているところもあり、利用者の増加が見込まれます。こんな時だからこそ、改めて生活者視点に立ち、いま何が求められているのか、それをどのような形でコミュニケーションし伝えるのか。マーケティングも真価が問われてくるのではないでしょうか。
調査概要
株式会社ヴァリューズが保有する国内モニターパネルのネット行動ログから、2020年1月10日~3月4日のデータを分析しました。
※対象デバイスはPC・スマートフォン
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