台風19号~自衛隊による災害派遣と国防の問題

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月15日放送)にジャーナリストの有本香が出演。台風19号の被害について、また自衛隊の災害派遣の在り方について解説した。

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月15日放送)にジャーナリストの有本香が出演。台風19号の被害について、また自衛隊の災害派遣の在り方について解説した。

台風19号で土砂崩れが起きた現場で、自衛隊や警察などが70人体制で行方不明者の捜索を行った。午前8時半と9時半に2人を発見し救出作業が行われた=2019年10月13日 写真提供:産経新聞社
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台風19号激甚災害に指定

 台風19号による被害を受け、政府は14日夕方6時過ぎに、3度目となる非常災害対策本部の会議を開いた。安倍総理は近く復旧にかかる費用を政府が支援する「激甚災害」に指定する考えを示し、被災者の生活再建に向け全力をあげるよう、関係閣僚に指示した。

飯田)共同通信によれば、11の県で56人死亡、16人が行方不明となっております。警察や消防、自衛隊が取り残された人の救助、行方不明者の捜索を続けているということです。各地で決壊した堤防は、7つの県で37河川、52ヵ所。さまざまな交通に関する影響も出ており、新幹線は北陸新幹線が長野と上越妙高の間で運転見合わせ。中央本線は高尾~大月間で運転見合わせ。横須賀線は武蔵小杉駅の横須賀線ホームのエスカレーター、エレベーターが使えなくなっています。小田急・小田原線は秦野と新松田の間が、15日夕方5時ごろまで土砂流出のため運転見合わせ。京王動物園線も土砂崩壊の影響で、高幡不動~多摩動物公園駅間で運転見合わせとなっております。台風の影響、本当に爪痕は深いですね。

有本)もちろん亡くなられた方、行方不明の方もいらっしゃって、被害は大きいのですが、台風の進路予想の精度はだいぶ上がりましたね。

飯田)確かにそうですね。

阿武隈川(福島県郡山市市街地から阿武隈川を挟んで郡山市田村町地区を望む)。
手前を横切る高架は東北新幹線。出典:国土地理院ウェブサイト
(令和元年台風第19号-Wikipediaより)
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異例な「予備自衛官」の招集~今後問題となるマンパワーの問題

有本)数日前から予想の進路が出ていて、ほぼその通りになっています。ただ、あまりにも台風が大きくて、雨の量がとてつもなく多かった。激甚災害指定は毎年、特に雨の被害のときに行われますが、今回異例なのは、予備自衛官の招集ということです。自衛隊のSNSなどでも呼びかけをしていますが、予備自衛官は通常、自衛隊にいらっしゃるわけではありません。普通のお仕事をしているけれど、訓練を受けていて、資格を持っている方たちです。今後は生活周りの支援が増えるので、どうしても人手が足りないということのようです。

飯田)いままでの招集の実績を見ると、去年(2018年)の北海道胆振東部地震や7月豪雨。これは九州から瀬戸内と、かなり広範囲に及びました。あとは熊本地震です。

有本)もちろん予備自衛官の方と言っても、いろいろなお仕事を持っていらっしゃるから、飛び込める方も少ないのかもしれません。地域的にも、北海道に住んでいる予備自衛官の方が、本州まで来られるのかという問題もあります。今回かなり広域に、自衛隊がSNSやいろいろなものを使って、緊急で呼びかけをしているところからも、災害規模の大きさが伺えます。

飯田)災害の派遣ももちろん重要ですが、国を守るという本来業務もあるわけですよね。

有本)国防がまず本来業務であって、日本の場合は災害が起こりやすいから大変ですよね。今後、国防の本来業務をやり、さらに大規模な災害であれば相当な人力を割かれるという点で、どのようにするのかを考えなくてはいけませんね。

飯田)マンパワーの配置であるとか、予算付け。

有本)それから、自衛隊をいまのまま1つで考えていいのか。あるいは災害支援ということに特化した、別の組織を考えるべきなのか、ということですね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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