プロが教える、料理がおいしくなる「塩」おすすめ5選【2021年最新】

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 塩の専門家・青山志穂さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)に出演。毎日の食生活が充実する、塩の選び方を聞いた。

 一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会の代表理事を務める青山さんは、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌への出演など、塩の啓蒙活動に尽力。有名シェフと「塩」をテーマにした、コラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛けている。

 現在、商品として販売されている塩は4000種類もあるそうで、そのうちの1800種類も持っているという青山さん。産地が違うのはもちろん、塩の色や形も様々で、真珠のようにまん丸の塩、真っ黒の塩もある。そんな、あらゆる塩を味わい尽くしてきた青山さんに、家庭でどんな塩を揃えればいいか、料理に合わせた塩の選び方を教えてもらった。

青山:塩は4000種類もあって、一つ一つ味も形も違います。ただ、4000種類も使いきれませんから、大まかに5種類ぐらい、料理とか食材に合わせて揃えたら、より楽しく、家で食事ができます。

上柳:その5種類とは?

青山:赤身の肉と魚、白身の肉と魚、そして野菜やご飯みたいに味が淡白なもの、そして揚げ物のように油をすごく使う料理、という大まかな4分類。そして、使い分けが面倒くさい時に使える塩、何にでも合いやすい塩があります。

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何でも合いやすい塩『青い海』(沖縄県糸満市)

青山:まずは一番ベーシックな塩です。塩にはしょっぱさの他にも、苦味、酸味とかいろんな味があるんですが、『青い海』はテイスティングをした時にすごくバランスがいいんです。

上柳:(実際に味わってみて)うん、うん……塩ですね(笑)

青山:分かりやすく、バランスがいいタイプの塩です。

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赤身の肉・魚に合う塩『グルメソルトフレーク』(オーストラリア)

青山:牛肉、マグロ、カツオといった赤身の肉や魚って、味がすごく濃いですよね。そういうものには、ちょっと強いタイプの塩を使います。『グルメソルトフレーク』はオーストラリアの地下海水からできたものです。

上柳:地下海水?

青山:岩塩が地下水で溶けて、塩水になったもの、地下塩水ですね。それを天日で結晶させたものです。

上柳:淡い黄色。そして、見た目は結構トゲトゲしていますね。

青山:食感もシャクシャクとしませんか?

上柳:(実際に味わってみて)わっ、『青い海』とは全然違う! かなりストレートに来る塩辛さですね。あっ、これは好きです!

青山:これ以外にも、ほんのりピンクとか、黄色っぽい色をしたものは鉄分の影響を受けています。土壌にちょっと鉄分が含まれているんですね。だから味が結構強く、しょっぱさ以外にも、うま味もある。味が濃い塩なので、牛肉にかけたら絶対おいしいと思いませんか!?

上柳:合いそうですね!

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野菜、ご飯に合う塩『インカの天日塩』(ペルー)

青山:『グルメソルトフレーク』と分かりやすく対照的なのが、野菜とかご飯に合う塩。しょっぱさが弱く、まろやかです。

上柳:サラサラとした感じの塩ですね。

青山:これはペルーの塩なんですよ。これも、地下から湧いてくる塩水でできたものなんですが、山のふもとに棚田みたいな塩田(えんでん)を作って、そこに、地下から湧いてきた塩水を引き入れるんです。

上柳:ほぉ~。

青山:ペルーのクスコという所で作られているんですが、その村の経済を支えている塩です。

上柳:ちょっと味わってみましょうか――。また、全然違う味で。あれっ、だんだん味が変わってきますね!

青山:この塩の特徴は、しょっぱさがまろやかで、甘みを感じるくらいなんですよね。こういう塩は、野菜やご飯のように、食材があまり主張しないものに合いますよ。

上柳:おにぎりにかけたら、いくらでも食べられそうですね。

青山:「食材の味の強さと、塩の味の強さを合わせる」というのが1つのポイントです。

上柳:ペルーから来て、まさか日本のお米に合うとは、この塩も思っていなかったでしょうね。

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白身の魚、鶏肉、イカに合う塩『浜比嘉塩』(沖縄)

青山:伝統的な枝条架式塩田で作られた塩です。

上柳:結晶はやや大きめですね。(実際に味わってみて)ああ、鶏肉に合いそうですね。

青山:鶏肉や白身の魚って、口の中に入れた瞬間は味があまりしないですよね。噛んでいくと、味がぐーっと盛り上がって出てくるじゃないですか?

上柳:そうですね。それ自体の味はそんなに強くないですね。

青山:味が出てくるタイミングに、ちゃんと寄り添ってくれる塩なんですよ。しかも、牛肉とか赤身に比べて白身は味が繊細なので、しょっぱさは牛肉用の塩よりも、ちょっと弱めです。

上柳:確かに、そんなに主張してこない塩ですね。

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揚げ物に合う塩『男鹿半島の塩』(秋田県)

青山:これは揚げ物におすすめです。

上柳:結晶はやや大きめ、色は真っ白。(実際に味わってみて)んっ、これはかなり強いですね!

青山:ドーンと来ますよね。

上柳:かなり主張してくる、わかりやすい塩ですね。

青山:これを、とんかつの上に乗せて食べるわけです。塩で食べるとんかつって、こんなにおいしかったの!? って感じると思います。油が強いので、塩味がかなり強いタイプの塩を合わせてあげると、揚げ物は合いますよ。

上柳:塩とんかつ、おいしそうですねぇ。

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『塩豚』の作り方

上柳:塩を使ったおすすめの肉料理はありますか?

青山:家で一番簡単にできるのが沖縄の料理・塩豚です。豚バラのブロックを買って、肉の重さの3%の量の塩を用意するだけです。例えば500グラムの豚バラブロックなら、15グラムの塩を用意して、全体にまんべんなくすり込みます。それを、空気を入れないようにラップでぴっちりに包んで、そのまま冷蔵庫に一週間放置します。

上柳:一週間も? 熟成系ですか?

青山:そうです。熟成されて、一週間後にはツヤツヤのきれいな豚肉になっています。それを、たっぷりのお湯で30分~1時間くらいコトコト茹でると、本当においしい豚ハムみたいなものが出来上がります。

上柳:おいしそうだし、簡単そうですね。

青山:本当に豚肉!? って思うぐらいツヤツヤになるんですよ。熟成されたアミノ酸が最大限に引き出されるので、茹でて切り分けただけなのに、おいしいんです。

上柳:ちなみに味付けは?

青山:塩の味がしっかりしているので、いらないんですよ。

上柳:塩ってすごいんですね。

 ほとんどの人が、これまでは何となく塩を購入してきたはず。ところが、コロナ禍になってから自炊が増えて、ふと、食材や調味料にこだわりたくなった人も多くいるのではないだろうか。塩の選択肢が増えれば、味わい方の幅が広がるし、食卓にいくつか珍しい塩を並べてみたら、「この料理にはこの塩が合うよ」「こんな形の塩があるんだ!」と、会話のネタにもなるかもしれない。最近は通販サイトが大変充実していて、日本全国、世界各国の塩が手に入るので、チェックしてみてはいかがだろうか。

 塩の専門家・青山志穂さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHPから、いつでも聞くことが可能だ。

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番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます
毎週月曜・金曜 5:25頃番組HP
「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

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