「流行語大賞」に選ばれる言葉は本当に流行っていたのか? 30語の“流行度の違い”を調べてみて分かったこと
11月6日、その年に話題になった言葉に贈られる「ユーキャン 新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表されました。「令和」「タピる」「○○ペイ」など、確かに今年一年よく聞いたな、というものから、中には「これ、本当に流行ったか……?」と思えるものまで、同じ30語の中でもずいぶんと温度差があるように感じます。
今年で言うと「おむすびころりんクレーター」「ジャッカル」「肉肉しい」「後悔などあろうはずがありません」などは、この発表で初めて知ったという人が多かったようです。「実際に世の中で流行したかどうかではなく、審査員の好みや思想ばかりが強く反映されている」という批判的な意見も見られました。
そこで、これらの言葉が今年ここまで(2019年1月1日~11月6日)に使われた度合いを調べるため、Twitter上で対象語を含むツイート数をすべて集計してみました。もちろん、SNSで使われやすい/使われにくい言葉の違いなどはあるでしょうが、大まかな傾向は見えてくるはずです。
1位は納得の「令和」 ワースト3は……
調査の結果、30語の中では使われ方に極めて大きな差が出ていることが分かりました。最も多く使われていたのはやはり「令和」で、7140万ツイート(※以下、数値はツイート数)と2位に10倍以上の圧倒的な差をつけての1位です。これは納得のいくところでしょう。続いて「れいわ新選組/れいわ旋風」が533万、「あな番(あなたの番です)」が435万となり、これらがトップ3。
逆に“使われなかった言葉”を見てみると、ワースト3はラグビーW杯のキャッチコピー「4年に1度じゃない。一生に一度だ。」が5710、JAXAが発表した人工クレーターの名称「おむすびころりんクレーター」が4190、そして最も少なかったのは、女子ゴルフの渋野日向子選手の愛称である「スマイリングシンデレラ/しぶこ」という結果でした。
その他の言葉を見ると、吉本興業の問題が取り沙汰された「闇営業」が9位(181万)、相次ぐ台風の被害で注目された「計画運休」が16位(51万)、タピオカドリンクを飲むことを指す「タピる」は20位(35万)という結果でした。
本当に「広く大衆の目・口・耳をにぎわせた」か?
もちろん、これらはTwitterというサンプルが偏った集団内での使われ方であるため、これをもって単純に流行っていた/流行っていない、と言い切ることはできません。しかし、「ユーキャン 新語・流行語大賞」の公式サイトには
『この賞は、1年の間に発生したさまざまな『ことば』のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶ』
とある通り、少なくとも「広く大衆の目・口・耳をにぎわせた」言葉が選ばれるべきだとも感じます。
毎年、良くも悪くも世間をにぎわせ、「こんなこともあったなー」「この言葉が選ばれていないのはどういうわけだ!?」と話題を集める新語・流行語大賞。あなたには納得感がある30語でしたか?
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