NHK大河、不祥事で「撮り直しは当然」vs「そのまま放送すれば?」 ネット上の意見分かれる
女優の沢尻エリカ容疑者が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された事件を受け、「出演者による不祥事が発覚したとき、番組は撮り直しをするべきか?」についての議論がネット上で活発化しています。
「番組に出さないのは当然」か?
議論の中心となっているのは、2020年1月5日スタートのNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。沢尻容疑者は第1話から重要な役どころで登場し、既に10話までの撮影を終えているとされています。
今後の撮影分に関しては当然代役を立てることになりますが、問題なのは既に撮影してしまった分。再撮影をするにも初回放送まで2カ月を切っているため、現場は大混乱に陥っているという報道も。
この問題に対し、SNSなどでは「不祥事を起こしたのだから番組に出してはいけないのは当然だ」という意見と、「本当に撮り直しをする必要があるのか? 撮影済の分に関してはそのまま放送しても問題ないのではないか」という意見とがぶつかりあっています。
「法を犯したのだから放送はあり得ない」
「撮り直しをするべき」派の意見としては、「公共の電波で、不祥事を起こした人物をそのまま出演させるのはあり得ない」「悪いことをしても番組には出られるという慣習を作るべきではない」といったもの。
また、善悪とは別の観点で、「途中で役者が交代するのは望ましくない」「放送後もオンデマンドやBlu-rayなどにパッケージ化されるのだから、最初から撮り直したほうがいい」という意見もありました。
関連して、「これだけ不祥事が多発している以上、役者を使う側にも責任がある」「出演者には事前に薬物検査を義務化するべきだ」などの強い意見も。
「ルールの意味がわからない」「誰が得するんだ?」
一方、「そのまま放送して良い」派の意見としては、「出演者が逮捕されれば放送できないってルールが真剣に意味わからないよ。誰が得するんだよ」「NHKはスポンサーとのしがらみもないんだし、これを機にこんな不思議な風習はやめたら?」「この収録は11月15日以前に収録したものです、のテロップを流せばいいだけでは」などがあります。
一部の著名人も同様のコメントをしており、古市憲寿さんは「別に普通に放送すればいいのにね」、茂木健一郎さんは「すでに多くの人の労力が費やされ、作品自体も出来上がっている場合には、ご本人がドラッグをやっていたかどうかは関係なく、そのまま放送すると、ルールで決めればいいと思う。そうすれば、関係者も世間もやきもきしなくて済む」(連続ツイート)と反応しています。
オンライン署名サイト「Change.org」では、「NHKは大河ドラマ『麒麟がくる』沢尻エリカさん収録分を予定通り放映してください!」というキャンペーンが立ち上げられており、「薬物事件を起こした芸能人に対し刑罰以上の私的制裁を加え、吊るし上げや辱めを与えることは、薬物問題に苦しむ一般の当事者や家族にも多大なる悪影響を与えており、社会からの孤立や私的制裁恐れ、支援や相談に繋がることを困難にさせています」と訴えています。
「作品に罪はない」という“自粛不要”論
こうした問題は、今年3月のピエール瀧さん逮捕時にCDやゲームソフトが回収された際にも取り沙汰され、「作品に罪はない」「自粛されることの方が怖い」などの“自粛不要論”が広がりました。
ネットやそれにまつわるSNSによって、問題を起こした人物への風当たりが可視化されるようになった昨今。今後も同様の問題が発生することは十分考えられるだけに、NHK側の対応が注目されています。
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