第1位:神戸市(-4232人)
第1位は「神戸市」でした。兵庫県の県庁所在地である神戸市には、兵庫県庁や神戸市役所などが所在。神戸港の開港と共に発展を続けてきた地域で、観光名所や重要施設が集中するエリアです。
そんな神戸市の2023年の「転入超過総数」は-4232人。つまり4232人の「転出超過」となっています。世代別に見ると、20~34歳が-3477人と転入超過数が最も少なく、次いで35~59歳が-407人、0~19歳が-247人、60歳以上が-101人と、すべての年代で「転出超過」となっています。
【中山登志朗さんはこう見る】
神戸市が大きくマイナスになっている理由として、若年単身者層が専ら大阪に吸い寄せられている可能性があります。広島や岡山と同じく、多くは大阪や福岡に、そして東京に転居しているケースもあるでしょう。県内に就職したい企業が少ないなどさまざまな要因が考えられますが、広島、神戸ともに全世代で転出超過となっており、人口としては厳しい状況にありますね。
【中山登志朗さん総評】
大阪市は約1万3000人、福岡市は約9000人の転入超過となっており、この2市は九州のみならず西日本全土から人が集まってくる地域です。大阪はもちろん、福岡は今非常に活気があり、若者に人気がある街でもあります。福岡に本社がある企業に就職したり、また、大学も多いため卒業してそのまま福岡で就職というケースが多いのでしょう。企業の勤務者の平均年齢が一番低いのが福岡といわれています。
また、世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)が子会社を設立し、熊本県菊陽町に工場を建設すると発表したのが2021年。熊本市はそれまで転出超過が続いていましたが、ここ1~2年は転入超過になっているので、半導体事業が人口にも大きな影響を与えているといえるでしょう。工場があるのは熊本市の隣町ですが、生活利便性の面から熊本市に住んでそこから車などで通うケースもあるようです。そのような要因から、西日本では大阪市、福岡市、名古屋市といった都市部と、熊本市の4地域が「転入総数超過」となりました。
【西日本版】「人口流出が多い自治体」ランキング
調査概要
調査期間 | 2023年1月1日 ~12月31日 |
調査エリア | 西日本の政令指定都市 |
集計方法 | 総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基に作成 |
※本ランキングは、総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基にLIFULL HOME’S総研が作成したものです。
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