「明らかに自治体の失策」名古屋市の質素すぎる給食に「刑務所の食事よりひどいのでは？」など否定多数

　物価の高騰を受け、名古屋市が10年間据え置きにしていた市立小学校の給食費値上げを表明しました。それに対しネット上では、「給食が質素すぎる」と大きく話題になりました。

「半世紀前の方が良いもの食べてた」名古屋なのに“エビフライ”なし

　名古屋市が現在の給食費を決定した10年前。名物グルメであるエビフライがメニューに含まれた回数は年に6回であったのに対し、現在はなんと0回。デザートの回数に至っては10年前は83回であったのに対し、現在は41回と半分以下になっています。そこで名古屋市教育委員会は来年度から給食費を月およそ600円値上げする方針を発表。東海テレビの報道によると、市教委のアンケートでは保護者の7割が値上げに対して「やむを得ない」と回答しました。

　給食費の値上げは名古屋市に限った話ではなく、ここ数年で多くの自治体が改定に踏み切っています。なぜ給食費の値上げが相次いでいるのでしょうか。給食費の値上げに至ったその理由と背景、そしてネット上での反応を調査しました。

2019年に給食費の値上げを表明した自治体とその理由

　まずは2019年に給食費の値上げを発表した自治体の例をいくつか見てみましょう。

　※引用元：埼玉県戸田市情報ポータルサイト、埼玉県北本市、河北新報、福岡県北九州市、大阪府堺市

　値上げ幅は自治体ごとに異なりますが、少ないところで月およそ300円、大きいところでは宮城県仙台市が月およそ1000円の値上げを表明しました。

給食費の値上げの背景

　各自治体のWebサイトで公開されている給食費の改定に関するページを調査してみると、下記のような理由や背景によって給食費の値上げという判断を下していることが分かりました。

• 米飯、パンといった主食費や牛乳費の高騰
• 学校給食摂取基準を満たすため
• 給食費改定後の消費増税
• 夏休み短縮による給食実施日数の増加

　中でも特に多かったのは「米飯、パンといった主食費や牛乳費の高騰」。ほとんどの自治体が食材価格の高騰を理由に副食（おかず）を減らしており、問題となっている名古屋市も同様でした。

　次に多かったのは「学校給食摂取基準を満たすため」という理由。学校給食摂取基準とは、学校給食が児童生徒の心身を健全な発達に資する為に文部科学省が定めている基準で、2018年8月に改訂されており、給食に必要なエネルギーやタンパク質の基準値が増加しました。

ポジティブな意見が約6割と賛否両論

　「給食費値上げ」はポジティブな意見が59.6%でした。河村たかし名古屋市長の「値上げは収入の低い人には気の毒」の発言や、質素すぎる給食を見て「子どもがかわいそう」といった意見も多く見られました。

ネット上では「値上げは仕方ない」と賛成する声が多数

　Twitter上ではその質素すぎる給食の写真に言及すると共に、値上げは仕方ないと賛成するという人が大半で、「子供たちにもっと良い食事をとってほしい」という声も。

反対派には給食費を自治体負担にしてほしいという声も

　質素な給食のメニューに目を奪われてしまいがちな近年の給食費値上げ問題ですが、一般家庭と同様に物価の高騰という理由が多くを占めていました。更に学校給食摂取基準が2018年8月に改訂されたことも重なり、従来の給食費では不十分となってしまいました。

　「値上げ」と聞くとネガティブなイメージを抱いてしまいますが、その背景を汲み取った賛成意見が多数の調査結果となりました。

調査概要

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