影山ヒロノブ「まだ登ってない山を探している」 バースデーライブで見せた61歳の挑戦心【インタビュー】
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2022年2月18日は歌手・影山ヒロノブさんの61歳のお誕生日でした。毎年2月18日にはバースデーライブが開催されており、今年は「KAGEYAMA Hironobu BIRTHDAY LIVE 2022」と銘打ち、渋谷にあるライブハウス「duo MUSIC EXCHANGE」で2年ぶりの有観客でライブが披露されました。
今回のライブでは、ねとらぼ調査隊が実施した「影山ヒロノブさんが歌うアニソン人気ランキング」を元にセットリストを構成するということで、経緯などを聞くことができました。ということで、本記事ではライブリハ後の貴重な時間をいただいたインタビューを紹介します。
ファンに喜んでもらえるセットリスト
──本日はお誕生日おめでとうございます。
影山ヒロノブ(以下、影山):ありがとうございます。もう、あんまりめでたいとは思わないけど(笑)。
──早速なのですが、まずはねとらぼ調査隊のランキングをセットリストにしようと思った経緯をお聞かせください。
影山:バンド演奏でソロのライブをする機会は1年に1回くらいしかないんですよ。バースデーライブは自分の為というよりも、お客さんが聞きたいものをやるというのが良いんじゃないかという意見があって、「それいいね」ってことで。
──それでねとらぼ調査隊のランキングを使用していただけることになったんですね。ありがとうございます!
影山:いえいえ(笑)。
自分たちも盛り上がっていく曲順
──実際にこのランキングを見てどういった印象を受けましたか?
影山:世界的に見ても「CHA-LA HEAD-CHA-LA」が一番知名度があるんですけど、アニソン好きの人にとっては、「HEATS」がタイムリーだったんだと思います。アニソンイベントの時でも「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」で爆発的に盛り上がって、その次が「HEATS」だったりするので、アニソンフリークにはこの2曲が凄く受けが良いなと。
──個人的には『宇宙船サジタリウス』(1986年放送)が好きで、7位の「スターダストボーイズ」や4位の「夢光年」が好きなんです。
影山:『サジタリウス』は元々子ども向けの作品ということもあるんですけど、当時から渋い大人のアニメファンからも評価されていて、ラジオの年間アニソン大賞をいただいた楽曲です。僕の最初のアニソンタイアップ作品なんですよね。
──アニソンファンにとっては外せない楽曲だと思います。いま実際リハーサルを見学させていただきました。この曲順でやってみた感想はどうでしょうか?
影山:途中にランキングTOP10に入らなかった曲から、厳選した楽曲をメドレー形式でやっているんですけど、この曲順だと意識して盛り上げなくても自分たちが盛り上がっていきますね。
──盛り上がる曲がランキングでも高い順位に入ったと。
影山:そうですね、間違いなくTOP3はみんなが大好きですよ。
──どの曲も影山さんにとって大事な曲だと思うんですが、影山さんが思う「ライブで盛り上がる曲BEST3」を選ぶとしたらどの曲が入りますか?
影山:元々ロックシンガーなので、6位の「GET THE WORLD」とか10位の「覚悟完了!」とかは、凄く自分の得意なジャンルで楽しいですよね。後は、やっぱり「HEATS」かな。
──ハードロックな曲調のものが楽しいと。
影山:なんかこう、ガーンと来て、一回落ちて、そこから盛り上げていく感じが好きだね。
転機となった「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」
──ここからは61歳のお誕生日を迎えられたということで、これまでの影山さんの活動について伺えればと思います。先ほど『宇宙船サジタリウス』で初のアニメタイアップをしたという話もありましたが、ご自身の転機となった楽曲はどれですか?
影山:やっぱり「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」。最初にスーパー戦隊シリーズの曲をやって、『サジタリウス』があって、ここまで自分を取り巻く環境がドーンと変わったということはなかったんです。それが、当時渋谷のライブハウスeggmanでバンドとライブやっていたんですけど、『聖闘士星矢』の第2期の主題歌「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」が発表されてから、急にチケットが取れないくらいお客さんが来たんですよ。
──「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」でお客さんが増えたんですね。
影山:当時はレイジーっていうデビュー当時のバンドの流れがあって、ほとんど女の子のお客さんが来てくれていたんですけど、「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」からは男の子ばかり増えていきました。だから「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」歌ってから明らかに野太い声の声援が飛んできて、なんか凄いねって(笑)
──それはたしかに凄いですね(笑)
影山:その翌年が「CHA-LA HEAD-CHA-LA」で、その頃にはもうキャパ的にeggmanではできなくなって、ここの上のO-EASTとかの方に変わっていきました。だからまぁ、アニソン界の中でも注目を集めたのが「聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜」だと思います。お茶の間的にも知名度が上がったのは「CHA-LA HEAD-CHA-LA」ですね。
──なるほど。61歳になって変わったことはありますか?
影山:今のところは、これまでやってきたスタイルをそのままやれているので、アスリートのようにフィジカルが年取ったなと感じることはあまりない。それこそ、70歳くらいになったらまた違うかも知れないし、自然に任せようかなと。今はJAM Projectもあるのでパワースタイルをメインに据えてやっていければと。
心のどこかで、まだ登ってない山を探している
──今回のライブでは景山菜奈さんとクラブミュージックに挑戦しているということですが。
影山:今回は自分が通ってきていない音楽にチャレンジしてみたいなという思いもあって。一番身近でEDMサウンドに精通してる景山菜奈と共同制作をしました。
──チャレンジ精神が凄いですね。
影山:(チャレンジ精神は)いつもあるんですよね。なんか若い人たちの流行が好きで、10代の頃より今の方が洋楽聞いたりしてるんですよね。車に乗ったり、家にいたりしても、海外のチャートを聞いてますね。
──流行している曲といえば、BTSなどK-POPも聞かれるんですか?
影山:K-POPとかは家の中でも溢れていますね。だって僕、ハングル検定4級持ってるんですよ(笑)
──そうなんですか!?
影山:今は行けてないけど、JAM Projectなんかでは毎年のように韓国行ってたから、MCは自分の役目なんで。初心者クラスくらいは勉強しましたね。
──どんどん新しいものを取り入れていくんですね。
影山:韓国語は向こうに友だちが出来て、みんなアニメファンとかアニメ業界の人で、日本語を話してくれるからいらないっちゃいらないんだけど、好奇心が旺盛で、やりたいことは素直に追いかけるタイプなんですよね。スポーツとか自転車とかスキューバダイビングとか、なんでもやってみたいと思ったら。昔はそんなタイプじゃなかったけど、50歳過ぎてから「あ、これ面白そう」と思ったら、まずやろうっていうのが、今の自分のスタイル。
──きっかけがあったわけじゃなくて、自然とそういうスタイルになったんですか?
影山:54~55歳の時に、沖縄で初めてJAM Projectでライブするって時に、「あ、沖縄なんだ。先にスキューバのライセンス取っちゃおう」っていう(笑)
──凄いバイタリティですね!
影山:やっぱり、音楽の仕事もそうだけど、新しいことをやるのが好き。もちろんみんなが大好きだから既存の楽曲も新鮮な気持ちで歌えるけど、心のどこかで、まだ登ってない山を探しているってのはありますね。
──「反撃のおうちロック」がクラブみたいな感じになっていたのも驚きました。
影山:ウケるでしょ(笑)。
──影山さんがウーハーがすごい楽曲を、カッコよく歌っているのを見て、これが今の影山さんか! って思いました(笑)
影山:その一つだね。いろんなことがやりたいですね。3年位前、お台場の「Ultra Japan」を一人で見に行ったんですよ。シンガーもミュージシャンもいない会場で、なんでこんなに人が集まって盛り上がっているんだろう? って知りたくなったんですよね。海外のDJだと、プロデューサーがDJになっていて、ミュージシャンとしてすごくカッコいいパフォーマンスだなと思いますね。
──今回コロナ禍で、有観客で配信ありというライブになっていますよね。配信ライブという形式はどうですか?
影山:最初の3回くらいはやりづらかったけど、人間って不思議なもんで慣れましたね。ステージの上でチャットでやりとりできるし、もう普通にできるかなと。
──最後になりますが、今回いろいろな事情で会場に来られなかった人もいると思います。配信で見ている人にメッセージがあればお聞かせください。
影山:まだまだ先行きが不透明。僕もオミクロン株にかかっちゃって、幸い軽症だったんだけど、そういう人が増えていると思う。少しずつだけどいい方向に進んでいると思うので、早ければ春くらいから、その時の状況にもよるけど、地方にも行けたらなと。そうなってくると、みんなの気持ちも楽になってくると思うんですよ。そういう試みはずっと継続していこうと思うので、「行きたいな」って思ったときに、来てもらえるように活動していこうと思っています。
──たくさん貴重なお話を伺えて大変うれしいです。ありがとうございました!
影山:ありがとうございました。
アーカイブ配信が2月24日まで配信中
「KAGEYAMA Hironobu BIRTHDAY LIVE 2022」のアーカイブチケットが、現在チケットぴあにて発売中です。2月24日まで視聴可能です。「クラブミュージック」という“新しい山”に登っている影山ヒロノブさんを見られる貴重な機会ですので、気になった人はぜひ、61歳の影山ヒロノブさんをその目で見ていただければと思います。
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