「筒井康隆」の小説で好きな本はなに?【人気投票実施中】
日本におけるSF小説の第一人者でもある筒井康隆さん。SF以外にも、ミステリーやブラックユーモア、ジュブナイルなど幅広い作風でさまざまな作品を発表しています。
そこで今回は、筒井康隆さんが発表してきた小説作品の中で、あなたが一番好きな一冊を教えてください。まずは数ある作品の中から、編集部がピックアップした5作品を紹介します。
家族八景
『家族八景』は、目の前の人の心をすべて読みとってしまうという能力をもった火田七瀬を主人公とした、8編からなる短編小説です。若くして家政婦として働く七瀬が、生まれ持ったテレパシー能力で行く先々の家庭の秘め事や人間関係を次々と暴いていくことに。後には同じ主人公を描いた『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』も刊行されており、この3作は「七瀬三部作」などと呼ばれるようになりました。
旅のラゴス
『旅のラゴス』は、旅人・ラゴスの生涯を追った作品です。高度な文明を失った代わりに人間が超能力を獲得した世界を舞台に、集団転移や壁抜けなど不思議な体験をしながらもひたすら旅を続ける男の姿を描いています。ラゴスが旅を続ける理由など、彼の生き方を通して大事なことに気づいた人も多いのではないでしょうか。近年、謎の大ヒットを遂げた作品としても話題になりました。
文学部唯野教授
『文学部唯野教授』は、架空の大学を舞台に学内の派閥抗争や人事を巡る駆け引きなど、大学の中で起こる学問とはかけ離れた日常を面白おかしく描いた作品です。物語は主人公となる唯野教授の目を通して見た大学生活と、教授が行う文芸批評論の講義の2つのパートに分かれて展開します。ドタバタした大学の裏側のおもしろさはもちろん、一見難しそうな文芸論をわかりやすく紹介した講義部分も魅力です。
ロートレック荘事件
『ロートレック荘事件』は、人里離れた洋館で起こる連続殺人を描いた推理小説です。夏の終わりに、ロートレックの作品に彩られた瀟洒な洋館に集まった男女たち。しかし2発の銃声をきっかけに、惨劇の幕が上がることになります。犯人の動機はなんなのか、そもそも犯人は誰なのか。読み進めていくうちに明らかになるトリックの衝撃は、いまなお忘れられないという人もいるのではないでしょうか。
時をかける少女
『時をかける少女』は、ひょんなことからタイムリープ能力を手に入れた中学3年生の芳山和子と、その同級生が織りなす切ない青春物語となった表題作を含む、複数作を収録した短編集。表題作は「時かけ」の愛称で知られており、SF要素はもちろんミステリーやラブストーリーも絡んだ物語が展開されます。この作品を原作に映画化やドラマ化、アニメ化などさまざまなメディア展開が行われており、時には設定や物語を変えながらも長年愛されています。
「筒井康隆」の小説で好きな本はどれ?
以上、筒井さんの小説から5作品を紹介しましたが、他にも「パプリカ」や「富豪刑事」「朝のガスパール」など多彩な小説を刊行していますよね。
今回のアンケートでは、長編や短編集を中心に82冊を選択肢にピックアップしました。作品集や自薦集など、選択肢にない本に投票したい場合は「その他」に投票のうえ、コメント欄で書籍名を教えてください。作品に関するコメントとともに、投票お待ちしています!
参考
- 筒井康隆『家族八景』|新潮社
- 家族八景 Nanase, Telepathy Girl’s Ballad|MBS
- 筒井康隆『旅のラゴス』|新潮社
- 『旅のラゴス』が大ブレイク、筒井康隆の傑作長編『聖痕』文庫版を刊行!|新潮社
- 文学部唯野教授|岩波書店
- 光文社・三宅貴久さんをつくった筒井康隆「文学部唯野教授」 閉じた学内での保身と出世を、露悪的に|好書好日
- 筒井康隆『ロートレック荘事件』|新潮社
- 時をかける少女<新装版>|角川文庫
- 今夏再び復活、誕生から50年経ても『時かけ』が鮮度を保つ理由|ORICON NEWS