ただのパワハラか「市民の安全のため」か 明石市長の暴言に賛否分かれるネット

兵庫県明石市の泉房穂市長が市職員に対し暴言を浴びせていた問題で、ネットは批判的ながらも、市長に同情する声も少なくありません。

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兵庫県明石市の泉房穂市長が市職員に対し暴言を浴びせていた問題で、ネットは批判的ながらも、市長に同情する声も少なくありません。

 兵庫県明石市の泉房穂市長が、道路の拡幅工事に伴うビルの立ち退き交渉を巡り、担当の市職員に対し「今から行って、建物を燃やしてこい」などと暴言を浴びせていた問題。Twitterなどでは批判一色……ではなく、市長に同情するコメントも多くみられます。ハラスメント問題に敏感に反応してきたネットでは意外に思えますが、なぜなのでしょうか。

明石市長の暴言に対し賛否が分かれている
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「明石市長の暴言騒動」とは?

 新聞・テレビの報道によると、泉市長は2017年6月、担当の市幹部に対し、市長室で、「立ち退きさせてこい、お前らで。きょう火付けてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え」「(担当職員について)辞表とってこい。当たり前じゃ。7年分の給与払え。辞めたらええねん、そんな奴。辞めるだけですまんで、金出せ金も」などと暴言を浴びせていました。

 問題になったのはJR明石駅前の国道2号線拡幅に伴う用地買収。現場付近は事故が多発しているとのことで、計画が遅れていることもあり、一刻も早く現在の状態を解消したいという思いがあった、と釈明したとのことです。

 産経新聞の報道によると、泉市長は記者会見で「パワハラだった。市長としてあるまじき態度で申し訳ない」と釈明。担当職員には謝罪し、今後自身への処分を検討するとのことです。

泉氏は「行動する明石市長」としてPRしている=泉氏の公式Webサイトより

 ネットでは暴言にあきれるコメントが多いものの、「何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ」「私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ」などという市長の発言の詳細が明らかにされるとやや風向きが変わりました。2年以上前の録音データが、4月の市長選に3選を目指し立候補表明しているタイミングで暴露された背景……なども論議の的になりました。

 ちなみに泉市長は昨年、兵庫県が公開した、「東播磨地域」の存在感の薄さをアイドルグループの地味なメンバーに置き換えて自虐した観光PR動画に対し「明石はそんなマイナーではない」と猛抗議し、動画が一時公開停止になったことも。“物言う市長”だったようです。

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「明石市長の暴言騒動」の盛り上がり

期間:2019年1月28日~2019年1月30日(Social Insight 調べ)

 1月29日午後0時辺りの明石市長の暴言詳報のタイミングで2420ツイート/時と盛り上がりを見せると同時に意見が活発に行われたようです。

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「明石市長の暴言騒動」のネガポジ

2019年1月28日~2019年1月30日(Social Insight 調べ)

 80.3%がネガティブという結果に。ただしネガティブにも色々な意見がある事がわかりました。

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「明石市長の暴言騒動」の著名人のつぶやき

暴言は不適切だが発言全体を読んで印象が変わった

部下に対する追い込み。悪質である

「明石市長の暴言騒動」の注目されたつぶやき

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「明石市長の暴言騒動」のネガティブな意見

 ネガティブな意見の中にも色々な意見がありました。

パワハラは悪いが市長が言っていることは理解できる

一方的な報道のされ方に疑問

選挙前のタイミングに合わせたのでは?

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「明石市長の暴言騒動」のポジティブな意見

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一緒につぶやかれた言葉

悪い

正しい

おかしい

2019年1月28日~2019年1月30日(Social Insight 調べ)

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発言ユーザーの都道府県

ソーシャルメディア利用度と比較した相対値
2019年1月28日~2019年1月30日(Social Insight 調べ)

 兵庫県での発言が圧倒的に多いようです。地元でも注目されている事がよくわかります。

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発言ユーザーのプロフィールマイニング

 該当キーワードについて発言したユーザーのプロフィール文章をテキストマイニングした結果を表しています。大きな単語ほどユーザーのプロフィールによく出現しています。

2019年1月28日~2019年1月30日(Social Insight 調べ)
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まとめ:行政は怠慢だった?

 パワハラ問題が明らかになった直後は泉市長を非難する声が大きかったものの、泉市長の暴言の全容が公開されると、きっかけは明石市職員の“職務怠慢”だったとして、「市長の気持ちは分かる」といったコメントが増えています。

 ただ、神戸新聞の報道によると、明石市幹部は「暴言当時、交渉はあと一歩の所まできており、怠慢でなかったことだけは理解してほしい」と話しているとのことです。

 一般に、行政による立ち退き交渉がすんなりと運ぶことはほとんどありません。長年住み慣れた土地を離れることになる住民の心情や、所有権や借地借家権が入り乱れた複雑怪奇な権利関係などからこじれることが多く、行政側も根気強く実務を進める必要があります。ですが、こうした交渉ごとの真相は表に出てくることは少ないもの。断片的な報道内容をもって「行政は怠慢だ」とか、あるいは「行政は怠慢ではなかった」と断じることは難しいことです。

 パワハラは許されないことのはずですが、Twitterでは泉市長への“同情”が少なからず寄せられていたのも気になるところです。報道によると、明石市にも寄せられた意見も多くは市長に対し批判的だったとのことですが、市長を擁護する声も少なからずあったそうです。「動機に同情すべき点があれば、結果は許される」という日本的とされるメンタリティーがここにも現れていると言えそうです。

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