スティーヴ・ライヒは現代音楽の作曲家でありながらメジャー音楽シーンでメインストリームとなっているEDMやラップ、テクノ音楽などに多大な影響を与えたアーティスト。
同じリズムやフレーズを繰り返す「ミニマルミュージック」を世に送り出し、その後はテープをつなぎ合わせたりずらしたりする「サンプリング」の元となる手法へと音楽の可能性を広げたライヒ。オリジナルアルバムの人気投票を実施するにあたり、音楽好きなら必聴の代表作を3つほど挙げてみました。
Drumming
ライヒ初期の傑作の一つで「ミニマルミュージック」の古典的作品です。ライヒ自身がアフリカ音楽に傾倒していた時期の作品で、ガーナのエヴェ族のドラミングに強く影響されています。
この時期にライヒが用いた手法は「フェイズ」と言われる、同一楽器で同じパターンのフレーズを複数のプレーヤーが繰り返すという手法です。同じフレーズを演奏するのですが、そこにわずかなずれが生じることで、複雑で多彩なビートが生まれていきます。
Clapping Music
「フェイズ」手法を生み出したライヒは、ツアー先でフラメンコ音楽に遭遇したことにより新たなインスピレーションを受けます。たまたまライヒが鑑賞していたライブで、演奏していたギタリストと歌手が演奏途中で大きな拍手でリズムをきざみ始めたのです。その様子に思わずライヒが演奏の輪に加わってしまったというエピソードがあり、そこから生まれたのが「Clapping Music」といわれています。
その代表曲である「クラッピング・ミュージック」は、2人のプレイヤーがマイクに向かって手を叩いているだけという衝撃的な作品。しかも基本となるフレーズは「タタタンタタンタンタタン」というフレーズだけ。この単純なビートのリフレインで、約5分間にもおよぶ素晴らしい音楽体験が展開されていきます。これから初めて聴く方でも、衝撃を受けることは間違いない一曲です。
Electric Counterpoint
スティーヴ・ライヒの数多い作品の中でも「代表作」として紹介されることが多いアルバムです。「エレクトリック」と名付けられていますが、ここでフィーチャーされているのはエレクトリック・ギター。コラボしているのはフュージョン界の巨匠パット・メセニーです。
複数のトラックで録音されたテープと生のギターアンサンブルを重ね合わせるという技法によって、まるでギター・オーケストラのような豪華なサウンドが生み出されています。そこにパット・メセニーのキャッチーなメロディーラインが乗ることで、ライヒの数ある作品の中でも非常に聴きやすい作品に仕上がっています。初めてライヒを聴くなら、このアルバムから入るのもおすすめです。
その他
スティーヴ・ライヒは2021年時点で84歳になりますが、いまだ現役です。アルバム作品だけでも50作品を超えるうえに、コラボやプロデュース作品まで入れると膨大な作品数があります。
今回紹介した3つのアルバム以外にも、1999年にグラミー賞で最優秀小規模アンサンブル・パフォーマンス賞に輝いた「Music for 18 Musicians」、代表作の一つ「The Desert Music」、「21世紀のオペラのお手本」と称された「The Cave」などなど、必聴のアルバムはたくさん。あなたはどのアルバムが一番好きですか? 投票お待ちしております!
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