火の回りで踊れば、西洋諸国もタジタジ!?――新文明である先住民族が追加されたRTSの決定版「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年12月15日 12時40分 公開
[板橋舟人,ITmedia]
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大軍を率いるダイナミックな戦闘シーン

 内政ユニットが集めた資源を元に、軍事ユニットを作成して軍備を増強するのが、本作のセオリーだ。軍事ユニットは、大まかに分けて、歩兵ユニット、騎馬ユニット、砲兵ユニットの3種類がいる。例えば歩兵だけ見ても、歩兵ユニットに対して有効な石弓兵、騎兵ユニットに有利な長槍兵など、かなり多彩だ。またこれらのユニットは、例えば石弓兵からベテラン石弓兵へとアップグレードすることもできる。このように、本作にはバリエーション多くのユニットが登場する。

 ユニットは、それぞれ特徴が大きく異なる。攻撃力やHPといった基本的なパラメータはもとより、生産に必要なコストや生産時間、特定のユニットに対するダメージボーナス、建物を破壊するのに有利か不利かといった感じで、それぞれ得意とする局面が異なるのだ。

 どのユニットを使うかは、自文明の特徴に加えて、相手文明がよく作成してくるユニット、マップ、資源状況によって変わってくる。どのユニットを作成するかを、戦局に応じてチョイスする戦略性も楽しめるわけだ。

 また、ユニットに対しての有利不利が設定されているが、それほど圧倒的なものでもないことに注目したい。苦手なユニットを相手にする場合でも、敵軍より圧倒的な数をそろえて攻めれば、勝てる場合も多々あるからだ。

 また、どこを攻めるか、という戦略の魅力もある。最も効果的なのは、相手の陣地に攻め込み、内政にダメージを与えることだろう。相手の入植者の数が減れば、それだけ入手できる資源が減るため、相手ユニットが作成できる軍事ユニットの数が減るし、各種進化も満足に行えなくなるだろう。結果的に、相手の国力は弱まり、以後の戦いを有利に運ぶことができるのだ。

 ただ、相手の陣地は、敵軍が強固に守っていることが大半であるため、返り討ちに遭ってしまう可能性も高い。また、相手陣地を攻めているとき、それ以上の戦力で自陣に攻め込まれ、逆にこちらが先に滅ぼされてしまう、なんて状況もある。

 もちろん、どのように攻めるかが最適なのかは、相手プレーヤーの強さや戦力、マップなど、多数の条件が絡んでくるため、一概にこれとは言えない。ゲーム中の戦局に合わせて、そのとき最も最適な答えを探し続けなければいけないのだ。

画像 多数のユニットがひしめきあう戦闘シーンは、非常にダイナミック。勝利できたときの達成感も大きい
画像 西洋列強国は、新たに“革命”というシステムが追加された。入植者すべてが軍事ユニットに置き換わり、一気に戦力を増大できる

ゲームシステムの複雑化は唯一の欠点

 全く性格の異なる3つの新文明が追加され、既存文明にも新ユニットや新カードが追加された本作。本編や過去作のディープなファンは、パッチで能力値が1変わるだけで盛り上がるほど入れ込んでいるため、これだけ多数の魅力的な追加が行われた本作は、まず間違いなく満足できるであろう。

 新3文明は、既存文明とは特徴が大きく異なるため、初心者はちょっととまどうかもしれない。また、最大の魅力であるマルチプレイでは、前作からプレイしている猛者が大半のため、一回も勝てない、なんて話をよく聞く(もっとも、これは本作だけではなく、ネットゲーム全般での問題だが)。また、快適に遊ぶには、それなりにパワーのあるPCが必要であるため、初心者に対する敷居が高くなってしまったのは、残念なポイントだ。なお、AoE3からはマッチメイキング システムが取り入れられているので、あらかじめ戦う相手と自分のレベルを合わせることができるようになっているとのことだ。

 古代ローマの戦士や、中世ヨーロッパの騎士など、過去作では日本人に受け入れられやすい世界観だったが、本作ではなじみの薄い“アメリカ開拓史”が舞台であることも、とっつきの悪さの原因になっていると思われる。

 ゲームシステム自体は、ほぼ文句のつけようがないほど完成されている本作。プレーヤーが楽しめるかどうかは、本作の世界観を受け入れられるかどうかで、大きく左右されるのではないだろうか。

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