学費が払えないなら俺たちが払う! 「studygift」はクラウド時代の「あしながおじさん」なのか
学費が支払えず、大学をやめさせられるかもしれない――そんな学生を、クラウドファンディングで支援するサービスがオープンした。
studygift(スタディギフト)は、まったく新しい学費支援サービスです――。
5月17日にオープンした「studygift」というサービスが注目を集めている。優秀なのに学費が払えず退学寸前……そんな学生たちを支援するために作られたサービスで、起業家の家入一真氏が代表を勤めるグループ「liverty(リバティ)」によって制作された。
サポート第1号は、Google+で一時、日本一のフォロワー数を獲得し話題となった、早稲田大学の坂口綾優(さかぐちあや)さんだ(現在は日本一ではなくなっている)。坂口さんは無名の大学生だったが、毎朝「朝焼け」の写真を撮影し、Google+に投稿していたところ、世界中からフォローされる人気者となった。
しかし、1〜2年のころは奨学金とアルバイトで学費と生活費をやりくりしていたが、現在は成績が下がったことを理由に奨学金を打ち切られ、学費が払えず大学をやめるしかない状態になってしまったという。一時は大学に通うのをあきらめかけたが、そんなおり、家入氏らに声をかけられ、Studygiftのサポート第1号となった。
「『沖縄大学は年間4人に1人が中退している。その9割近くが学費が払えないという経済的理由だった』というニュースを読んだことがあります。クラウド・ファンディングで学費を支払う新しい形として、このプロジェクトを成功させるためにがんばりたいと思います」(サイトより、坂口さんのコメント)
坂口さんが大学に通い続けるために必要な金額は合計112万2016円。Studygiftでサポートできるのはこの75パーセント、つまり87万1566円までで、残りの25万450円は自分で稼ぐ――というのがルールとなっている。サポートは5000円から行うことができ、サービス開始からわずか4時間足らずでサポーターは60人を突破し、支援額も30万に達した。
これまでにないサービスだが、ネットの反応は賛否両論だ。「これはいいサービス」、「勉強したい子が、これで少しでも機会を得られるなら。本当に素晴らしいと思います」、「若者の可能性を広げる機会になってほしい」といった賛同のコメントも多く見られた一方で、「支援すべき人はもっと他にいると思う。残念だな」、「死ぬ気で働けば払えるし(略)、そもそも奨学金をもらえなくなる程、成績は落ちない」、「中学高校にすら行けない方もたくさんいます。甘えないで下さい」といった厳しいコメントも。全体的に、studygiftの試みについては拍手を送りつつも、坂口さんがなぜ奨学金を打ち切られたのか、大学に残って何をしたいのかが不明瞭なところに違和感を感じている人が多いようだ。
Liverty代表の家入氏はサービス開始後、Twitterで「僕らは本気で彼女を救いたいと思ってこれを作ったし、それに彼女も全力で応えてくれた。どう思うかは自由だけど、それだけは知って欲しい。僕らはもっと多くの熱意のある学生を救えたらって思ってます」とつぶやいている。
実際、坂口さんが言うように、日本にはまだまだ、学費が支払えず大学をやめていく学生は多くいる。今回はまず坂口さんがサポート第1号という形になったが、そうした学生が誰でも平等に支援を受けられるよう、studygiftの今後と、継続的なサポートに期待したい。
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