学費が払えないなら俺たちが払う! 「studygift」はクラウド時代の「あしながおじさん」なのか

学費が支払えず、大学をやめさせられるかもしれない――そんな学生を、クラウドファンディングで支援するサービスがオープンした。

» 2012年05月18日 00時10分 公開
[ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 studygift(スタディギフト)は、まったく新しい学費支援サービスです――。

 5月17日にオープンした「studygift」というサービスが注目を集めている。優秀なのに学費が払えず退学寸前……そんな学生たちを支援するために作られたサービスで、起業家の家入一真氏が代表を勤めるグループ「liverty(リバティ)」によって制作された。


画像

 サポート第1号は、Google+で一時、日本一のフォロワー数を獲得し話題となった、早稲田大学の坂口綾優(さかぐちあや)さんだ(現在は日本一ではなくなっている)。坂口さんは無名の大学生だったが、毎朝「朝焼け」の写真を撮影し、Google+に投稿していたところ、世界中からフォローされる人気者となった。

 しかし、1〜2年のころは奨学金とアルバイトで学費と生活費をやりくりしていたが、現在は成績が下がったことを理由に奨学金を打ち切られ、学費が払えず大学をやめるしかない状態になってしまったという。一時は大学に通うのをあきらめかけたが、そんなおり、家入氏らに声をかけられ、Studygiftのサポート第1号となった。

「『沖縄大学は年間4人に1人が中退している。その9割近くが学費が払えないという経済的理由だった』というニュースを読んだことがあります。クラウド・ファンディングで学費を支払う新しい形として、このプロジェクトを成功させるためにがんばりたいと思います」(サイトより、坂口さんのコメント)


 坂口さんが大学に通い続けるために必要な金額は合計112万2016円。Studygiftでサポートできるのはこの75パーセント、つまり87万1566円までで、残りの25万450円は自分で稼ぐ――というのがルールとなっている。サポートは5000円から行うことができ、サービス開始からわずか4時間足らずでサポーターは60人を突破し、支援額も30万に達した。

画像

 これまでにないサービスだが、ネットの反応は賛否両論だ。「これはいいサービス」、「勉強したい子が、これで少しでも機会を得られるなら。本当に素晴らしいと思います」、「若者の可能性を広げる機会になってほしい」といった賛同のコメントも多く見られた一方で、「支援すべき人はもっと他にいると思う。残念だな」、「死ぬ気で働けば払えるし(略)、そもそも奨学金をもらえなくなる程、成績は落ちない」、「中学高校にすら行けない方もたくさんいます。甘えないで下さい」といった厳しいコメントも。全体的に、studygiftの試みについては拍手を送りつつも、坂口さんがなぜ奨学金を打ち切られたのか、大学に残って何をしたいのかが不明瞭なところに違和感を感じている人が多いようだ。

 Liverty代表の家入氏はサービス開始後、Twitterで「僕らは本気で彼女を救いたいと思ってこれを作ったし、それに彼女も全力で応えてくれた。どう思うかは自由だけど、それだけは知って欲しい。僕らはもっと多くの熱意のある学生を救えたらって思ってます」とつぶやいている。

 実際、坂口さんが言うように、日本にはまだまだ、学費が支払えず大学をやめていく学生は多くいる。今回はまず坂口さんがサポート第1号という形になったが、そうした学生が誰でも平等に支援を受けられるよう、studygiftの今後と、継続的なサポートに期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」