もう二度と購入できない貴重な「活版印刷機」と「活字一式」がスクラップの危機 Twitterで引き継げる人を募集

場所が確保できてすぐに受け入れられる人を募っています。

» 2018年02月04日 10時16分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 ある印刷会社の「活版印刷機」と「活字一式」がスクラップの危機を迎え、興味があり引き継げる人をTwitter上で募っています



 投稿では、ズラリと並んだ見た目に圧倒されると同時に歴史の重みを感じる活字の棚や、今では実際に見る機会も少ないであろうストップシリンダー印刷機の実物の写真が。大きさは、活字の棚が幅1.8×奥行0.9×高さ1.9メートルのものが3台で、印刷機がおおよそで幅2×奥行き1.2×高さ1.4メートルとのことです。


印刷機 活字一式 スクラップ 危機 引き継ぎ 譲渡 見ているだけでワクワクするような活字一式

 告知は、大阪市「なにわ活版印刷所」のTwitterアカウント・なに活(@nanikatsu)さんが代理で行っているもの。依頼があった印刷会社との付き合いは、以前、活版に興味を持った若いスタッフが活版印刷機のローラーをなにわ活版印刷所から購入したことがきっかけ。

 ことの経緯は、その印刷会社で活版を担当していた会長さんが病になり、10年ほど前に活版部門が休止。そして処分を拒んでいた会長さんが亡くなり、小型の活版印刷機は若いスタッフが面倒を見ることになるも、大型の印刷機と活字一式は処分することに。そこで「会長の想いがこもった機材をスクラップにするのは忍びない」と思ったスタッフが、なに活さんがこれまでにも何度か同様の“活版のレスキュー活動”を行っていたのを知っていたのもあり、なに活さんに譲渡の告知を依頼したということでした。


印刷機 活字一式 スクラップ 危機 引き継ぎ 譲渡 重厚な見た目がかっこいいストップシリンダー印刷機

 活字は「一式で引き継いで頂ける方が希望」となっていますが、なに活さんも「ハードルが高い」と話すようにかなりの量となっています。しかし同時にもう二度と購入することのできない希少品でもあり、価値を感じられないとかなり厄介なものとしつつも「求めている方にとってはプライスレスといっても過言ではありません」(なに活さん)。また金銭的価値よりも「廃棄を拒んだ会長の意志が引き継がれることが何よりの価値です」として、コレクションとしてよりも実用品として使う事に意味があると考えを述べています。


印刷機 活字一式 スクラップ 危機 引き継ぎ 譲渡 いろいろなところに歴史を感じます

 Twitterでの告知にはさまざまな反応があり、リツイートやメッセージに、すでに複数の方からオファーがあったそうです。なお、「ミュージアムに寄贈」といった声も多いものの、過去の事例からよほど希少でコレクション的価値がある場合を除いて断られてしまう可能性が高いのと、搬出が来週末という時間的制約があることから厳しいとしています。

 その他の条件については、上記の活字全量のスペースを既に持っている人、または早急に確保できる見込みのある人のみで、譲渡方法は現地・兵庫県中東部での現状渡し。また印刷機に関してはメンテナンスが必要で、価格はオーナーさんとの交渉次第(活字はお気持ち程度、印刷機は鉄スクラップ代に少し色を付けた程度から)とのことです。




 ちなみにどんな人に引き取ってもらいたいか聞くと「古くから受け継がれたツールで、今この時代だからこそできる新しい表現にチャレンジして頂けるような方に使っていただけたらうれしいですね」となに活さん。

 先約優先となっていますが、もし興味があって条件となる場所を確保できる方は、メッセージにてその思いを伝える。または興味がある人に心当たりがある人はその人に伝えることで、貴重な印刷機と活字がスクラップにならずに済むかもしれません。



画像提供:「なにわ活版印刷所」なに活(@nanikatsu)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」