「性差別の偏見を含む」バルセロナの児童図書館が約200冊の排除を決定 『眠れる森の美女』『赤ずきん』など

昔話における性差別の見直し。

» 2019年05月16日 09時00分 公開
[関口雄太ねとらぼ]
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 スペイン・バルセロナにある児童図書館が、「性差別主義の偏見などを含む」として、蔵書約600冊を精査し『眠れる森の美女』や『赤ずきんちゃん』など児童書約200冊の撤去を決定したと海外メディアが報じています



 見直しの対象となるのは、6歳の子どもたちを対象にした本の目録。スペイン紙のエル・パイスによると(リンク先英語版)、カタルーニャ自治政府の管轄下にあるターベル校では、目録を精査したところ、全体の30%が有害であると結論付けられました。

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 性差別の観点から問題がないと判断された書籍は10%で、深刻な問題を含まないものが60%。同じくバルセロナに位置するモンセニー校など、複数の幼児・初等教育学校の図書館にて、性別のバランスが取れた本を取りそろえるよう作業を進めています。

 調査を実施した委員会メンバーであるアナ・トゥツォ氏は「社会は変わりつつあり、男性上位主義や女性蔑視に配慮し始めているが、昔話には反映されていない」として、児童書に含まれる性差別表現について指摘しました。例えば『黄金伝説』における聖ゲオルギウスの物語は、男性が英雄として邪竜を討伐し、女性が邪悪な王女として登場する古典的な版は性差別表現を含むとして撤去が決まっています。

 トゥツォ氏は、幼児期の読書について「児童らはスポンジのようにものごとを吸収するため、性差別の偏見を当然のものとして受け入れてしまう」と、精査の必要性を強調。一方で小学生(6歳~12歳)の児童については「ものごとを批判的に捉える素晴らしい能力を持っており、読書は自発的にどういったものが性差別的であるかを理解する機会にもなる」と説明しています。

 ターベル校は今後、小学生に与える書籍についても、書棚の撤去は実施しないものの、見直しを進める方針です。


「性差別の偏見を含む」バルセロナの児童図書館が約200冊の排除を決定

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グリム兄弟はドイツ語辞典(つまりドイツの「国語辞典」)を編纂したことからもわかるように、自分たちが使っているドイツ語の生きた姿をとどめることに力を注ぎました。彼らがまだ学者の卵だったころ、小さな街の薬局で働いていた住み込みのマリーおばさんから昔話を聞いたことから話の採集が進み、『グリム童話集』として集大成されると世界中に広まり大ロングセラーとなりました。(上)には幼い兄妹の冒険譚「ヘンゼルとグレーテル」など32編を収録しました。
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