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「144個入りチョコのグロス」発売の衝撃 問われる虚構新聞の虚構性またしても虚構記事が現実に

虚構を現実にする報道姿勢はいかに。

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 嘘ニュース配信サイト「虚構新聞」が本当のニュースを配信し、物議を醸している。同紙は7月4日、「森永チョコ、144個入り『グロス』発売へ」という記事を掲載。記事では森永製菓のチョコレート菓子「DARS(ダース)」の新商品として12箱分144粒のチョコレートが入った「GROS(グロス)」が販売されると報じていた。タイトルには背景色の隠し文字で「これは嘘ニュースです」と記載していたが、この記事に森永側が反応してグロスの限定発売を実際に決定し、虚構新聞にあるまじき“誤報”となった。これを受け、同紙は10日付けでお詫びの記事を掲載している。

photophoto 問題の記事(写真=左)と、お詫び記事(写真=右)

 販売はお台場ダイバーシティ内「おかしなおかし屋さん」で限定12個のみと非常に小規模ではあるものの、虚構新聞が正しいニュースを報じてしまったことに対しネットユーザーからは「虚構がまた謝った!」「今年3度目か……なっとらんな!」「反省の色が見えない」「虚構新聞の不買運動を始めた」「森永完全勝利www」「面白い」など、遺憾の意が続々と表明された。誤報が呼び水となり虚構新聞のサイトにはアクセスが集中し、一時つながりにくい状態となった。

 問題の記事が掲載される前に、森永製菓のTwitterアカウント「@MorinagaChoco」は虚構新聞に自社製品をネタにしてほしい旨をさりげなくつぶやいており、これを発見した虚構新聞編集部が、「ダースの名前を使ってよいなら、いつか記事にさせていただくかもダース」と返答していた。こうした行為が森永側に記事化への期待感を与え、ノリリアクションの心構えを醸成してしまった可能性は高く、虚構報道に対する同紙の姿勢が厳しく問われそうだ。

 虚構新聞はお詫び記事で、「一流のお菓子メーカーである森永がそこまでやるとは全くの予想外だった」と弁明したほか、タイアップ企画だったのではないかという指摘については「本紙ではスポンサーのついた企画広告の場合、必ずその旨を公表している」と同紙のポリシーを説明している。同紙の社主UK氏はグロスの現実化について、「実際の商品画像を見たときはショックで、持っていたWiiUパッドを落としてしまった」と話すなど、同紙なりに事態を重くとらえているようだ。しかし今回の事件は、同社の虚構性、そして裏にはiPhone導入への布石という意味合いがあったのかどうかという点に強い疑問符を残したと言わざるを得ず、再発防止の徹底が求められる。

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