数年後にはこのレベルが当たり前になる?
まずは何も言わず、こちらの映像をご覧下さい。
顔のシワやニキビ跡は言わずもがな、毛穴の凹凸や、ヒゲの「向き」まではっきりと分かる肌の質感など、まるで本物の人間を見ているかのよう。また耳のうしろがほんのり透けていたり、皮膚に反射した光が鼻の穴の中をわずかに照らしていたりといった「光の当たり方」の自然さにも注目。大きなモニタを使っている人は、ぜひフルスクリーンモードで見てみてください。
この動画は、「Separable SubSurface Scattering(SSS)」と呼ばれる皮膚表現技術のデモ映像として公開されたもの。驚くべきは、これがプリレンダムービーではなく、リアルタイムで描画されたものという点です。
詳しい技術については省略しますが、最大の特徴は何と言ってもその「軽さ」。こちらのページではより詳細な解説と、実際に起動可能なデモプログラムも公開されていますが、実際にデモをダウンロードして起動してみたところ、筆者の環境でも平均20.88FPSというまずまずの速度を出すことができました。ちなみに開発者の環境(GeForce GTX 580)では平均112.5FPSというスピードで動作しているとのこと。
開発者によれば、この技術はゲームへの導入を目的に作られたものだそう。「私の研究がゲームにおける人体表現を向上させるのであれば、それは非常に喜ばしいことです。よりリアルなキャラクターは、必然的により深いストーリーテリングと、よりエモーショナルなゲーム体験をもたらすと私は信じています」(開発者)
実際に導入するまでには、まだいくつかの作業(特に髪の毛の表現など)が残っているそうですが、あと数年もすればこのレベルの人体表現が当たり前になっているのでしょうか。ここまで来るとリアルすぎて逆に不気味な気もしますが、大いに可能性を感じさせてくれる技術と言えそうです。






写真はいずれも、筆者のPCでデモプログラムを起動して撮影したもの。マウスでモデルをグリグリと動かしたり、光の当たり方などを細かく変更したりすることも可能です
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