新宿・歌舞伎町。昼も夜もにぎやかな街から外れた東側の一角に、戦後から続く飲み屋街「新宿ゴールデン街」はある。席数が5席前後という狭小店舗が、250軒以上も密集するその街は、昔から佇まいは変わらず、どこか昭和の面影を残している。1人でふらっと行くには気後れする方も多い街だが、近年では若い店長がやっている比較的カジュアルな店も多く、アニメやマンガ、ゲームをテーマにしている店もある。その中でも、新宿ゴールデン街未経験者でも比較的入りやすい店、「bar 図書室」を紹介しよう。

2010年2月にオープンし、マンガ好きがマンガ好きを呼び、今年で3年目を迎えた。店内に入ってまず驚くのが、バーというには明るい照明、お酒のビンが並ぶであろう棚にずらりと並んだ店主お気に入りのマンガたち。そして、「図書室」というだけあり、学校の図書室でも実際に使われている、プロ仕様の返却日表示板などの小物類。店内の客は、黙々と読書にふけることもあれば、マンガ談義で大盛り上がりになることもある。店主は、生粋のマンガ好きで、同店を開店する前はゴールデン街の他店舗でアルバイトをしていたという、のんさん(28歳)だ。



貸し出しカードといえば「耳をすませば」

店内に置いてあるマンガは、全てその場で読むことができる。カウンターの上や、棚の目立つところには、店主イチ押しのマンガが並び、「あ〜、これ私も好きなんですよ」と一見さんでもすぐに話が盛り上がる。そして、マンガの裏表紙をめくると、そこには学校の図書室の本にあった、「貸し出しカード」が添えられている。
「図書室」という名前のとおり、店内に置いてある本は2度目の来店から借りることができるのだ(一部の本をのぞく、1回につき1冊、2週間まで)。自分が好きな本を手にとると、そこにはその本を借りた人の名があり、そこで多くの人が思い出すのが、ジブリ映画「耳をすませば」。主人公の読書好き女子中学生が、図書館の本の貸し出しカードで見つけた「天沢聖司」の名をキッカケに、ヴァイオリン職人を目指すイケメン中学生と恋におちる、という青春映画だ。

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