初音ミクV3は日本語版、英語版、その2つを収録したバージョンの3形態をラインアップ。5種類の歌声ライブラリを収録した。
それでは記者会見で、クリプトンの伊藤博之社長と佐々木渉さんから得られた情報をかいつまんでお伝えする。
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初音ミクV3のビジュアル
- イラストレーターはKAITO V3を担当した「イクシマ」さん。KEIさんが担当した元のイメージをリファインした。
- 「初音ミク」ロゴも元のイメージを崩さないよう、バランスを整えて制作した。

- 英語版のキャラクターは「ざいん」さん。米国トヨタのカローラのCMに初音ミクが使われたときのビジュアルを担当した経緯もあり、米国市場では馴染みのあるイラストになるだろう。

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初音ミクV3の開発方針
- 「誰もを音楽クリエイターに」――音楽ソフトはさまざまな音楽ソフトを複合的に使うため、初心者には分かりづらい。そのためのオールインワンパッケージとして開発した。音楽制作に必要なすべてが含まれており、買ったその日から音楽を作ることができる。
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初音ミクV3の歌声
- ユーザーはオリジナルから大きく逸脱することは臨んでいない。
- 歌声ライブラリは、オリジナルのミクであるORIGINALに加え、AppendからSWEET、DARK、SOFT、SOLIDの全5種類。VIVID、LIGHTは外れたが、登録ユーザーの優待販売の場合、V3版を提供できるようヤマハと交渉中だ。
初音ミクV3のMac対応
- 音楽クリエイターにMacユーザーはたいへん多い。
- 2007年のリリース直後からユーザーから「Mac版はいつですか、対応してください」と望まれていたが、自分たちだけでは対応できない。ヤマハがVOCALOID APIをMacに対応させるということで「光の早さで」開発した。(関連記事:初音ミクがMac、英語、GarageBand対応――「肩の荷が下りました」とクリプトン伊藤社長)
- AppleのLogic ProやGarageBandの中でPiapro Studioを使えるようにするAudioUnits対応は、9月26日に発売されるパッケージには間に合わないが、かなり早い時期にアップデータを提供できるかもしれないとのこと。
Piapro Studio
- DAWの中でもダントツに軽いStudio One上で動くこともあり、軽快な動作。
- Cubase、Ableton Live、SONARなどのStudio One以外でもVSTiで動作する。
- リアルタイム編集ができる。ループ再生しながら歌詞を変えたり、音量のカーブを描いたりできる。
- 複数のトラックをレイヤー状に重ねて、1つの画面で音程、長さを編集できる「コーラス機能」がある。

- ピアノロールはもちろん、ノートを移動させたりするときにもそこの歌声が再生できるプレビュー機能が1.0からついた。
- 初音ミク版からバージョンは1.0となる。それまでKAITOV3版でとても頻繁にバージョンアップで機能強化を行ってきた。「ユーザーの皆様に感謝したい」
- 歌詞入力で文字が余った場合、自動的にどの音符で追加するかを決められる。
- それが英語の複数文節による単語だった場合、例えばinternationalでは、「in」「ter」「na」「sho」「nal」に自動分割してくれる。※従来のVOCALOID Editorではこの部分が大きなネックになっており、特に英語の歌詞入力に手間取っていた。それが大幅に軽減される。
- 編集画面の背景に透過する壁紙をキャラクター絵に設定できる。歌声ライブラリのアイコンも変更できる。これらの絵を、Piaproで募集しており、それをユーザーが好きなものに設定できる。※従来のVOCALOID Editorでは、VOCALOIDキャラクターはインストール時にしか登場しない。

- 他社製歌声ライブラリ向けのPiapro Studio提供は、ヤマハとのVOCALOID APIライセンスの問題があるので、現時点では回答できず。
- 他社製V3歌声ライブラリをPiapro Studioで読み込むのは、現在でもできるのだが、サポートの問題で機能を外している。他社製ライブラリも可能にする方向でいる。その場合、インストーラやアイコンの問題は解決しなければならない。
- 開発担当の黒田さんはMac版調整のため、発表会には出席できなかった。このため、佐々木さんは等身大パネルを用意。初代パッケージの初音ミク立ち絵ポーズをしている。

初音ミクV3 English
- 開発に2年かかった。最初はカタカナ英語的なものでと考えていた。カタカナ英語は日本語となじむというメリットはあったものの、昨年米国で公開したときに正直微妙な反応だったため、方向転換した。
- 英語の発音の改善には、社内のネイティブスピーカーの女性がテキストを作り、前日にトレーニングをした。
- 収録は音素単位でやっているので、難しい発音記号はまとめて集中的に再収録した。
- 初音ミクV3 Englishでは、大容量データのダウンロード販売になるが、クリプトンはすでに数Gバイトから20Gバイトくらいまでのサイズのデータやアプリを販売しているので問題ない。
- 音楽用ソフトで日本市場は世界の約15%、米国は半分を占める。日本では初音ミク、VOCALOIDは広がっているけれど、それは全体の7分の1でしかない。初音ミクはテクノロジーと音楽の両方に興味のある人の関心を引いているのでチャンスはある。
- 英語データベースは象徴的存在になりうる。日本のクリエイターが世界的に活躍できるパスポートになりうる。新しい文化を創る意気込みでいる。