浦和レッズは3月26日、サポーターが差別的とみられる横断幕を掲出した問題について「浦和レッズの現状と今後について」とする告知を公開した。

この問題は、3月8日のサガン鳥栖戦において、会場の埼玉スタジアムに「JAPANESE ONLY」と手書きされた横断幕が掲げられたことが発端。Jリーグはこの件で、23日の浦和レッズ対清水エスパルス戦を無観客試合とする制裁を科した。
レッズは「過去の慣行にとらわれ、一部のサポーターを特別扱いしていると見られるような運営手法が、これまでトラブルに適切に対応できず、またその後のトラブル防止に活かせなかった要因のひとつ」と問題の背景を説明。「横断幕を取り外すときは掲出したサポーターの合意がいる」という慣習から、問題の横断幕をすみやかに撤去できなかったという。サポーターの自主性を尊重するあまり、「サポーターの活動に対する、配慮や便宜が一部のサポーターに偏り過ぎた点がありました」とも認めている。
今後の取り組みとしては、差別撲滅に向けたアクションプログラムを策定し、啓発活動を行う。ファンとサポーターには、FIFA(国際サッカー連盟)の指示に基づくJFA(日本サッカー協会)の懲罰規程に基づいた運用を行い、規程に抵触した場合は最低2年間スタジアムへの入場を禁止する。
また浦和レッズのファン・サポーター全員に対して横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕などの掲出を禁止する。浦和レッズを象徴するコレオグラフィーも禁止とする。安全確保が確認され、掲出ルールを策定する中で再開など今後の掲出基準を決定するとしている。警備体制も安全確保を重視して再構築する。
慣習の見直しも行い、サポーター有志が行っている自由席の入場の順番についての「前日抽選」の取りやめなどを検討している。サポーターグループの登録制度を導入し、登録グループのみが横断幕類掲出などサポートツールの利用を申請できるような仕組みも考えている。座席の席割りについても、「ファミリー席」の新設や、必要であれば自由席の「ブロック指定席化」や「完全指定席化」なども検討していく。
これまでサポーターの自主性を強調したあまり、規制・抑止とのバランスが崩れてきた、とレッズ。今後は安全確保を最優先とし、「いったんは熱狂的なスタジアムの源泉でもある自主性を制限してでも」トラブル防止と迅速な対応を行うとしている。
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