名門書店として知られるリブロ池袋本店が、7月20日21時をもってその40年間の歴史に幕を閉じました。Twitterでは閉店時に多くのお客さんが詰めかける様子が写真などで投稿され、出版社や作家からもなくなることを惜しむ声や感謝の気持ちがツイートされています。

Twitterには最終日の様子が投稿
リブロ池袋本店は、1975年9月に西武池袋本店に「西武ブックセンター」としてオープンし、1985年に「リブロ」として独立。80年代には芸術や文学、思想書などの先鋭的な品ぞろえで「セゾン文化」を支え、「ニューアカデミズムの聖地」と呼ばれました。今年7月で入居している西武池袋本店との契約が満了となるため、池袋界隈で移転先を探しつつも撤収が決定。店舗跡には8月初旬に三省堂書店池袋本店がオープンします。


地下1階にある柱と、リブロのロゴ
地下1階にある柱には、作家やマンガ家、著名人によるメッセージが先月から書き込まれ始め、来店客によってTwitterへ写真が数々と投稿されました。作家の高橋源一郎さんは「リブロか……全てがなつかしい」、社会学者の上野千鶴子さんは「セゾンの時代が閉じる……」。サッカー選手の長友佑都さんも大きく「感謝」の2文字。すでにイラストを書いていたマンガ家の江口寿史さんは閉店日にもう一度訪れ、自画像と一緒に「さようなら」と書き残しました。
このほか著名人もTwitterでリブロ池袋本店との思い出をツイート。マンガ家のますむらひろしさんは「たくさんの美術書と音楽本を買いました。濃い書籍が並んでるあのフロアーの気配が好きだった」。また出版社からのツイートも多く、河出書房新社の「文藝」担当者は「売れるかわからないけれど絶対おもしろい!とこちらが確信する賭けの企画にいつも乗っていただき、そのスピリットにどれだけ助けられたか」。棚だけでなく企画、イベントにも先鋭的な精神を心がける書店だったことがうかがえます。
原画展を西武池袋本店で開いた、「3月のライオン」といった羽海野チカさん
「アタゴオルは猫の森」のますむらひろしさん
「遺体‐震災、津波の果てに」などの石井光太さん
現在本づくりをされている人にも、同店で働いていた、通っているという方も数多いようです
書籍に関するイベントも豊富でした
最終日に本を買い求めにやってきた人は多く、閉店間際には「最後尾」の札が掲げられるほど長い列ができました。最後の会計が終わった後は店員が整列し、同社社長、池袋本店店長が利用客にあいさつ。リブロのTwitterアカウントでも「40年間のご愛顧誠にありがとうございました」と感謝の言葉を発信しました。Twitterでは移転先が早く決定するのを願う声があちこちで見受けられます。
お昼3時ごろでこの人混み
最終日の様子を伝えるリブロのアカウント

(黒木貴啓)
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