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クラシック音楽の世界的な中心地の1つ、オーストリアの首都ウィーンで8月27日に、AHSがボーカロイドを使った公式ライブコンサートを実施しました。コンサートの模様や、会場となったウィーン最大のアニメ・漫画ファンイベント「AniNite(アニナイト)」の様子をお伝えします。
音楽の都でボーカロイドが歌う
会場はウィーン国際空港の近くシュヴェヒャトの多目的施設。AHSボカロ・コンサートは8月28日から3日間開催されるアニナイトの前夜祭のラスト・パフォーマンスとして行われました。会場にはおよそ400人が集まりました。
AHSはボーカロイド「結月ゆかり」などを開発・販売する企業。今回のライブには代表の尾形友秀さんを中心としたスタッフ、結月ゆかりの声を担当した声優の石黒千尋さんが参加しました。コンサートでは同社のすべてのボーカロイド・キャラクターがステージに登場するだけではなく、石黒千尋さんと結月ゆかりのコラボも見どころのひとつでした。


映像の投影には、農業用のビニールハウス資材を利用した「ポリッドスクリーン」を採用。ネットユーザーのあおめさんが開発・普及を進めているものです(関連記事)。
曲の合間には石黒千尋さんと司会者が楽曲やキャラクターを紹介するなど、総合的なエンターテイメントとして工夫が凝らしていました。観客もライトスティックを振ったりトークを楽しんだりと、会場全体が一体となった盛り上がりが見られました。
アニメコンベンション「アニナイト」はどんなイベント?
アニナイトはいわゆるアニメコンベンションで、ステージパフォーマンス、講演・ワークショップ、同人ブース、物販、軽食コーナーなどさまざまな形でアニメ・漫画文化を楽しめるイベントです。今年は約2万人(のべ)が参加し、オーストリアだけではなく、隣国のドイツやスロヴァキアからもファンが集まりました。
主催者は、オーストリアのアニメファンが2000年に設立した団体「AniManga」。オンラインポータル「AnimeBoad」を運営するなど同国でのファン同士の交流を支援しています。
開会式では、招待ゲストの石黒千尋さんがオリジナル曲を初披露。ウィーン出身の作曲家フランツ・シューベルトの「野ばら」と日本の歌「さくらさくら」から着想を得た曲を、日本とオーストリアの友好のために歌い上げ、会場から賞賛の拍手が巻き起こりました。

石黒千尋さんは開会式後にパネルを実施し、秋葉原や自身もモデルを務めるロリータファッションを紹介したほか、歌声も披露しました。またAHSの尾形社長はワークショップ「3D動画を作ってみよう」で、ボカロコンサートでも部分的に使用された同社のミュージックビデオ作成ソフト「キャラミん Studio」を紹介しました。


このほかにも日本から、フィギュア作家の宮川武さんやコスプレイヤーの麗華さんが招待され、ファンと交流を楽しみました。
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