全国で550万人以上の動員数を誇る人気イベント「アートアクアリウム」が、京都の元離宮二条城で10月23日からスタートしました。

古都京都の文化財として世界文化遺産に登録されている二条城。そんな歴史ある建物とアートの融合はアートアクアリウムの真打ちといったところ。実際、同イベントで唯一の野外展示で、規模も最大級だといいます。二条城は通常、夜間の拝観はできませんが、同イベントの開催期間(12月14日まで)のみ17時から22時まで入場可能となっています。

オープニングセレモニーには門川大作京都市長、同イベントの総合プロデューサーであるアートアクアリウムアーティスト・木村英智氏と並んで、タレントの壇蜜さんが登壇。
木村氏デザインの着物をまとった壇さんは「年齢を考えてくださったのか、おきゃんになり過ぎないデザインでうれしい」と顔をほころばせ、そんな艶やかな壇さんを見て今度は市長と木村氏の顔がほころぶという秋を感じさせない温かな空気の中でのあいさつとなりました。

今回の見所は、琳派誕生400年を記念した作品の数々。本物の金魚が琳派画を描く「リンパリウム」や、着物の絵柄になった金魚が優雅に泳ぎ回る「キモノリウム」、12枚からなる屏風絵の中で金魚が舞う「ビョウブリウムII」など木村氏のアートアクアリウムと、たらし込み、連続性といった琳派の技法を融合させた計5作品がそろい踏み。かつて見たことのないスケールで幻想的かつ美しい空間がそこにはあります。



大奥の世界を再現した「大奥 御殿スペシャルバージョン」など巨大な展示にも圧倒されますが、順路のところどころに置かれた灯籠や円形の水槽にも金魚がいて、360度どこを向いても金魚の世界が広がります。二条城だからこそ映える演出があちこちに用意され、飽きさせません。

歩き疲れた人、ちょっといい気分になりたい方には展示奥に用意された「夜祭うたげ」がオススメ。「齊藤酒造」「佐々木酒造」「丹山酒造」「増田徳兵衞商店」「向井酒造」といった京都を代表する蔵の地酒が日替わりで用意され、京都土産の定番であるお漬け物などをあてに楽しむことができます。
お酒が苦手な方には、向いの茶席にて有職菓子御調進所「老松」の生菓子や御菓子所「亀末廣」の干菓子、創業寛政二年「福寿園」の金箔入り宇治抹茶「金雲」と朝霞ほうじ茶が提供されていますよ。
金魚と言えば夏の風物詩。秋から冬にかけて開催される京都会場は季節感でいえばミスマッチですが、少し肌寒い夜の城内を極彩色の金魚が泳ぐことで春にも夏にも連れていってくれる、何とも不思議な空間。ひんやりそよぐ夜風や砂利を踏みしめる音まで含めて、秋の京都を満喫できそうです。
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