「Tokyo 7th シスターズ」や「単車の虎」などのスマートフォン用ゲームを運営するDonutsが、RMT仲介サイト「プレマ」を提供していたことが分かり、一部で問題視されています。サイトは現在「メンテナンス中」となっていますが、Donuts側に問い合わせたところ、「多くのお問い合わせをいただいており、各方面への影響を考慮し現在サービスを停止しております」とのこと。

問題になっていたサイト「プレマ」(記事執筆時点でサイトがメンテナンス中だったため、画像はInternet Archiveより)
「公認マーケット」をうたっていた「プレマ」
「プレマ」は、ゲーム内のアイテムや通貨を現金で取引する、いわゆる「RMT(リアルマネートレード)」をよりスムーズに行うための仲介サービス。多くのゲームは通常、規約でRMTを禁止していますが、「プレマ」はゲーム運営会社自らが提供する「公認マーケット」として、より手軽かつ安全に取引できるのを特徴としていました。
ところがサービスが話題になると、ゲームの運営会社が自らRMT仲介サイトを運営(=RMTを公認)していることや、また「モンスターストライク」や「サマナーズウォー」など、他社のタイトルも取り扱っていたことなどから「大丈夫なのか」と疑問視する声が続出。さらには「賭博行為にあたるのではないか」といった指摘もあり、炎上に発展していました。

取り扱っていたタイトルの一部(画像はInternet Archiveより)
結局、1月14日14時ごろからは、「アクセス過多によりプレマはただいまメンテナンス中です」と表示され、閲覧できない状態に。Donuts側に問い合わせたところ、現在は「改めて法的な部分を精査し本サービスについての継続可否を検討している状況」とのことでした。

1月14日14時ごろからは「メンテナンス中です」と表示され、アクセスできない状態に
「賭博にあたる可能性」指摘の根拠は
こうしたRMT仲介サイト自体は以前から多く存在していましたが、今回特に問題視されているのが「運営会社自らがRMT仲介サイトを提供していた」という点、そしてこれが「賭博にあたるのでは」という指摘です。
オンラインゲームで賭博と言えば、2012年にスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」で流行していた「ダイス賭博」が問題視されたのが記憶に新しいところ(関連記事)。ただ、このときもRMTによりゴールドを現金化できることが問題になったものの、そもそもスクウェア・エニックスはRMTを禁止しており、RMTがスクウェア・エニックスとは関係のない、外部のサイトで行われていたことから、大きな問題にまでは発展していませんでした。

関連記事「『ドラクエX』のダイス賭博についてスクエニ見解『当社が賭博罪・賭博開帳罪に問われる可能性はない』」
しかし今回のように、運営会社自らがRMTを公認し、「換金手段」を提供していたとなると、これは賭博と見なされる可能性が非常に高くなります。例えば300円のガチャでレアカードを引き当て、それを1万円で他のプレイヤーに売る――といったことが、最初から最後まで「公認」のままできてしまうためです。“賭博”は日本の法律ではれっきとした犯罪であり、もしも故意にこうしたシステムを提供していたのであれば、コンプガチャ以来の大問題に発展する可能性もあります。
Donuts側に同サービスの意図について聞いたところ、「現在RMTが広く行われている中で起ってしまっているトラブルを是正する仕組みを提供し、ゲームの活性化と間接的にゲーム上の不正行為防止を狙っていく目的でリリースしたもの」とのことでした。
1月14日午後23時55分追記
Donutsによりその後、サービス閉鎖が正式に発表されました(関連記事)。
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