ここに、全く同じ50段階のグラデーションがある。実はこのグラデーション、さまざまなプログラミング言語やソフトウェアを用いて制作されたもの。作品名は「50 . Shades of Grey」。第19回文化庁メディア芸術祭でアート部門の大賞を受賞し、2月3〜14日国立新美術館で展示されている。
展示では、壁の表側にコードが書かれたシート6枚が額に入れて飾られており、壁の裏側にそれぞれの出力結果が表示されている。左から、「Basic」「Fortran」「Pascal」「Lisp」「Lingo」「ActionScript」。ディスプレイ上では同一の50段階のグラデーションであっても、それらは全く異なる視覚的特徴を持つ。
作者は香港生まれのメディアアーティストCHUNG Waiching Bryanさん。過去30年間に学んだそれぞれの言語へのエピソードが展示に添えられている。
「すべてのプログミング言語とソフトウェア・ツールはすぐに古い技術になってしまいます。この作品の制作過程は、古い友人に再会したり、すでに消滅してしまった古い場所を訪ねていくようでした。どんどん短縮されるIT関連の製品の活用サイクルは、私たちに内省させる余裕と時間を残してくれます」(Bryanさん)
(太田智美)
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