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「富江」「うずまき」「首吊り気球」――。
数々の傑作を世に放ち、現代日本のホラー漫画界を代表する一人に数えられる漫画家・伊藤潤二先生。ともすれば、コメディになってしまいそうな奇抜なテーマを盛り込んだストーリーは、ホラー愛好家だけでなく広く漫画好きの心をつかんで離さず、さらに、作品に登場する女性キャラたちが放つ妖艶なオーラは、近年流行の「萌え」とは異なる、リアルな女性としての魅力を感じさせます。



左から「富江」 (C)伊藤潤二/朝日新聞出版、「うずまき」 (C)伊藤潤二/小学館、「首吊り気球」 (C)伊藤潤二/朝日新聞出版
そんな伊藤潤二作品のキャラクターたちに憧れ、自らの体に漫画タッチなメイクを施し、まるでキャラクターたちを3次元の世界に召喚したかのような写真をTwitterに投稿して話題となっている女性がいます。
(C)伊藤潤二/朝日新聞出版
いくらさんが伊藤潤二作品になりきった写真を初めて投稿したのは、2015年11月のこと。伊藤先生がTwitterのヘッダーに登録していた「多身の舞」という油絵作品に衝撃を受け、作品をマネた写真を伊藤先生に送ったことがきっかけでした。
「絵を顔に模写する感覚」と語るその独特な手法は、伊藤潤二作品への愛が高まる中で、どうすれば作品のキャラクターになれるかを考え抜いた末に思い付いたのだといいます。


「富江」シリーズより (C)伊藤潤二/朝日新聞出版
主にメイクと衣装、そして豊かな表情でキャラクターを模写しているいくらさんですが、「富江」のように幾つも顔を持った異形の姿をしていたり、完全な白目だったりというように、どうしても自力で再現できない場合はスマホを使って編集しているそう。増殖を続けた結果、複雑な姿へと変貌(へんぼう)を遂げた富江の姿も忠実に再現しており、作品への決して半端ではない愛が感じられます。
(C)伊藤潤二/朝日新聞出版
(C)伊藤潤二/朝日新聞出版
いくらさんが投稿している数々の模写写真は、「パシフィック・リム」などを手掛けたギレルモ・デル・トロ監督にRTされるなど、国内のみならず海外でも話題となっています。この反響についていくらさんは、「大変驚いています。伊藤潤二先生が世界的な人気があることを再認識しました」と、作者に敬意を払ったあくまでも謙虚なコメント。いくらさんの模写写真は伊藤先生もRTしており、もはや作者公認ともいえる作品となっています。
(C)伊藤潤二/朝日新聞出版
今後も、「今のまま色々なキャラマネに挑戦したい」といういくらさん。2月28日からは、新たに「富江」シリーズの投稿もスタートさせているので、作品と合わせて楽しんでみてはいかがでしょう。ちなみに、これまで伊藤潤二作品を読んだことがないという人には、初期から最近の作品まで収録されている「伊藤潤二自選傑作集」(朝日コミックス)がオススメだそうですよ。
(C)伊藤潤二/朝日新聞出版
次のページでは、いくらさんがこれまでに投稿した模写写真の中からピックアップしてお届けします。
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