今夜『けものフレンズ』が最終回を迎える。

 今期のダークホースとして注目を集めている3DCGアニメ。のんびりした擬人化動物の癒やし描写と、その裏に張り巡らされた伏線と背景設定、主人公2人のロードムービーとしてのできの良さが、特にニコニコ動画とTwitterを通じ、口コミで普及。BD付き書籍は枯渇して即予約完売、一部の動物園もあわせて盛り上がりはじめ、ギンビス「たべっ子どうぶつ」公式にサーバルキャット追加の問い合わせが増えているなど、ちょっとした社会現象だ。

 ニコニコ動画一挙放送のコメント数は、『まどか☆マギカ』や『ラブライブ!』を抜いてダントツ一位に。1話の再生数は現時点で400万再生を超えている。



 『けものフレンズ』関連書籍で先陣を切って出版されたのが、『けものフレンズコミックアラカルト ジャパリパーク編』だ。


けものフレンズ

けものフレンズ コミックアラカルト ジャパリパーク編<けものフレンズコミックアラカルト>(角川コミックス・エース)(※クリックで元記事へ)


 最終回前に出る、というスピードなだけあって、描かれているのはアルパカさん、トキさん、ツチノコさんなど、アニメ前半に登場するキャラクターが中心。持ち味である「癒やしギャグ」と「ちょっとセンチメンタル」の部分を、作家たちが膨らませて描いている。

 カネコマサル「ジャパリカフェはじめました」は、アニメで描かれなかった部分の補完創作として秀逸だ。アニメ3話、アルパカさんが開いた高山のカフェのはじめてのお客さんが、主人公たちだった。彼女らが訪れる前。ずっと長い間、誰も来ないカフェで待ち続けていたアルパカさん。接客を練習を一人繰り返す。精一杯の知識で飾った花は、待ちすぎて枯れてしまう。こういう感傷が、『けものフレンズ』にはとてもよくマッチする。

 青木ハヤト「あいどるしぼー」では、ストーリーに一切絡んでいないチベットスナギツネを中心に話が進む。『けものフレンズ』のアプリゲーム版(すでにサービス終了)では、『艦隊これくしょん』並に擬人化されたキャラクターがいる。アニメとは一応パラレルという設定だ。だがかばんちゃんとサーバルちゃんの旅に、他のフレンズが出てきても何らおかしくない。『けものフレンズ』は、想像のネタが枯渇することなく自由に楽しめるコンテンツだ、という可能性を打ち出した一作だ。

 なお『けものフレンズ』ブームの流れについては、下記のリンクをご参照ください。


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