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旅行会社「てるみくらぶ」の倒産で波乱に満ちた社会人デビューとなった約60人の内定取消者たち。彼らを巡っては、窓口を設置した厚生労働省に200社を超える企業から採用についての問い合わせが殺到したり、一部企業がSNS上で「無試験・無面接での採用」を呼びかけるなど、一躍注目の的になりました(関連記事)。彼らはその後、無事に就職することができたのでしょうか。関係各所に聞きました。

4月に日本旅行業協会が行った、内定取消者向けの就職面接会の様子
厚労省・若年者雇用対策室によると、3月末時点で内定取消が確認できた人数は58人。相談窓口がハローワークと連携の下で設置され、東京で24人、大阪で8人が登録に訪れました。同対策室が5月12日時点で集計したデータによると、ハローワークを訪れた全32人中、内定が把握できているのは16人(東京11人、大阪5人)。ハローワークを介さずに内定を決めた人もいる可能性があり、もうしばらくは追調査を行う予定とのことでした。
また、4月8日に内定取消者向けの就職面接会を開催した日本旅行業協会(JATA)によると、説明会には35人が参加。その内28人が内定を決めた※そうです。なお、会に参加した企業は旅行業に携わるJATA会員会社。つまり、内定取消者の内、少なくとも半数程度は当初の志望先と同じ旅行業に関連した職業に就けたことになります。面接会参加者の就職先詳細は次の表の通り。
※ハローワーク利用者との重複人数は不明

JATAの5月10日時点でのデータ
ちなみに、SNS上などで「無試験・無面接」での採用を呼びかけた企業はどうなったのでしょうか。真っ先にTwitter上で名乗りをあげた警備会社・JSSはねとらぼの取材に対し、「残念ながら、イタズラでの問い合わせが1件あったのみでした」とコメント。結局応募者は1人も現れなかったそうです。また、公式Webサイト上で事務職の採用募集を行ったアディーレ法律事務所にも取材を申し込んだところ、「採用情報については公開していない」とのことでした。
真っ先に名乗りを上げたJSS社長

この他に、Twitter上で呼びかけを行った軌道保守・土木事業を請け負う農研も、応募者が現れなかった旨をツイートで報告。Facebook上で呼びかけた財団法人・宿泊施設活性化機構(JALF)は、「『てるみくらぶ』内定取消者(自称)9名、以外の内定取消者(自称)6名」から問い合わせがあり、うち1名(てるみくらぶ以外の内定取消者)を正式に新卒正社員採用したと、Facebook上で報告しています。
JALFによる報告
結局、今回の取材ではWeb上で呼びかけをした企業へのてるみくらぶ内定取消者の就職は1件も確認できませんでした。
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