漫画『亜人』の作者・桜井画門さんが9月27日、作品の原作者と作画担当の配分について、自身の作品を例に挙げてTwitterで解説しました。その中で、同作で当初原作者としてクレジットされていた三浦追儺さんとの関係について「よく喧嘩別れだなんだって勘ぐられるんですが、喧嘩するタイミング自体ない」と当時の状況について明かしています。
講談社『good!アフタヌーン』で2012年から連載中の同作。コミックスは既刊11巻で、これまで、ポリゴン・ピクチュアズによる3部作の劇場アニメとテレビアニメ全26話が製作された他、佐藤健さん主演の実写映画も9月30日の公開が迫っています。

そんな同作は当初、「作画:桜井画門、原作者:三浦追儺」となっていましたが、コミックス第2巻からは桜井さんの単独名義となり、その理由については多くが語られなかったためさまざまな臆測が広がっていました。

桜井さんは、「原作者と作画担当がってどれくらいの配分で漫画を作ってるのかという事が気になる人っていうのは案外多いんだなあと感じる出来事が先月ありました」と話を切り出し、『亜人』では、第0話(中村慎也事件。コミックス2巻に収録)から第5話(コミックス1巻最終話)まで原作者がいて、当時自身の役割はほぼ作画のみだったこと、ネームをもらってそれを描くだけだったので原作者に会ったことがないことを紹介。桜井さんが三浦さんに実際に会ったのは、三浦さんが原作を降りた後、偶然会ってあいさつした一回だけだったと明かしています。
そうした当時の状況を明かした上で、一部でささやかれる「けんか別れ」のような状況でなかったと説明。原作を降りる決断の真意はよく知らないものの、やむにやまれぬ事情があったのだろうと推察。三浦さんに会った際には、「こんな事になってしまって申し訳ない」と言われたことも明かし、“すごく誠実そうな方だった”と回顧しました。
その後作品は、第6話から原作も桜井さんが担当することになり、それまでの伏線の答えや亜人やIBMの細かい設定、キャラクターのバックグラウンドなどを考えるようになったことから、コミックスの2巻以降は三浦さんの名前がないのだと明かしています。

自作品の内実を長文で明かした後、「だから誰が描いてるかとか気にせずに漫画を楽しむのが得策だと思いますよ」と一連のツイートを結んだ桜井さん。作品のファンからは、「喧嘩別れなんて囁かれてる中で作者が『そうではない』と公言してくれるのはありがたい」「ひとつ引っかかっていたものがなくなり、今後より一層夢中になれる気がしました」など喜ぶ声が寄せられています。
ファンにとっては積年の疑問が1つ解消したわけですが、一連のツイートの最後では、作画のみだった状態から原作も担当するようになったことで、「単純に作業量が増えたりするわけですから『ちくしょー、三浦の野郎ー』とか言ってしまう瞬間もあるのもまた事実。申し訳ない三浦さん」と本音をのぞかせているところも好印象。最後は、原作を三浦さんが手掛け、マンガボックスで連載中の『天空侵犯』を紹介しています。
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